夜のお散歩

＊ ページ12

-you side-



ピンポーン…




「はーい」



「急にごめんね」



「ううん、どうしたの？急に…」



ドアが閉まると同時に太輔は私を抱き寄せた。



「…太輔？」



「疲れてるのにごめんね…
どうしてもあおいに会いたくなっちゃってさ。
我慢できなくて会いに来ちゃった…」



「太輔…」






太輔はゆっくり私から離れると
両手で私の顔を包み込み
感触を確かめるように撫でていく。




太輔に触れられるだけで体温が上がっていく。




満たされる気持ちと
もっとって求める気持ちで
いっぱいになっていく。






太輔ははぁーと大きくため息をついて
私の肩に頭を預けた。




反射的に太輔の頭を撫でた。



「…太輔？」




「あおいが仕事で忙しいって分かっていながら、
何回デートに誘っても断られるから…
他に好きなやつとかできたんじゃないかって
考えたりしてさ…

そしたら少しでもいいから
どうしても会いたくなっちゃってさ…」






キューン！！！





なにそれ！？
めちゃくちゃ可愛いんですけど！！！



はぁ…太輔らぶ…




今日まで頑張ってきたし、
目標体重まであとちょっと…
ハロウィンまで待たなくても、
もう太輔とラブラブしたって…





「じゃあ帰るね」




「へ？もう帰るの？上がっていかないの！？」




とても間抜けな声が出てしまった。




「うん、遅い時間にごめんね、おやすみ」




太輔は私のおでこにキスをすると
意外とあっさり帰っていった。





あぁ…私は最大のチャンスを逃した…




今日を逃せば、
本当にハロウィンまで
きっとイチャイチャできない！！




「あぁ…太輔が恋しいよ…」





私は玄関で崩れ落ちた。






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