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お誕生日 -Ki- ページ32
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9月17日まであともう少し。
日付が変われば北山先輩のお誕生日。
なにかお祝いがしたくて
何度も食事に誘おうと思ったけど、
モテる先輩が予定のない誕生日を過ごすとは
到底思えなくて、誘うこともできず。
せめてメールでおめでとうを言おうと思ったけど…
『北山先輩、お誕生日おめでとうございます！』
メールを作ってみたものの
私は恋人でも友達でもない。
ただの会社の同僚。
12時ぴったりに送るのは、なんか違う気がした。
私にとっては好きな人が
生まれてきた特別な日だけど、
北山先輩はもしかしたら
私が先輩の誕生日を知っていることすら
驚くかもしれない。
本当は一番におめでとうって言いたい。
大好きなあなたが生まれてきた
奇跡みたいな日を
笑っちゃうほど盛大にお祝いしたい。
そんな思いは行き場もなく、
ただ膨らんでいくだけ。
時計が0時に変わった瞬間。
「お誕生日…おめでとう」
ひとりの部屋で小さく呟いた。
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作者名：あおい | 作成日時：2020年6月10日 16時
