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ephemeral -Ki- ページ17

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「消えちゃいたい」





伸ばしてきた手を掴んで抱き寄せた。





Aは声を押し殺して小さく肩を震わせて静かに泣いている。





本当に消えてしまうのではないかと
俺は抱きしめる腕に力を込めた。







覗き込んだ瞳は涙で濡れていて、
光を失いかけていた。






「A」





名前を呼んでも
しゃぼん玉のように
君の心に届く前に消えてしまうようだった。







絡めた指にあたる薬指の指輪を
ゆっくりとAの指から抜き取る。






Aはそれをただ見つめていた。








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作者名：あおい | 作成日時：2020年6月10日 16時

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