L.O.V.E.-Ⅱ- (ページ7)

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アイスクリーム -T- ページ7

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「あーん」

「あっ！」

「う～ん！！おいし～い！！」

「もうっ！！裕太のいじわる！！」

私と裕太は激しい攻防を繰り広げている。

２つ買ってきたアイスを
私は買ったその日に食べてしまったけど、
裕太は大事に食べずに取っていた。

それを今、目の前で美味しそうに食べている。

一口ちょうだい！と言うと、
いいよ、と裕太はあっさり言ったものの…
さっきからそのアイスは私の目の前まで来ては、
直前で裕太の口の中に収まってしまう。

「だってお口をパクパクさせてるAの顔、面白んだもん！」

「人が必死になってる顔を面白いとか言わないでよ！」

「ごめん、ごめん。
ちゃんと待てできたら、次はあげるから！
ほら…」

裕太はスプーンいっぱいにチョコアイスをすくって私の目の前に差し出した。

私は寄り目になってしまうのではないか、
というくらい目の前のアイスを見つめている。

「まだだよ…まだ…ダメだよ……我慢して…」

アイスがどんどん溶けていく…

それでも裕太のGOサインは出ない。

溶けたチョコアイスがスプーンから零れ落ちそうになった瞬間、
「よし！！」と勢いよく言うから
私は必死にスプーンを口にくわえる。

とっさに零れ落ちるアイスがルームウェアを汚さないように手を添えたら、
チョコアイスが指についた。

「おいしいー！！でも溶ける前に食べたかった！」

文句を言いながらティッシュを取るために立ち上がると
裕太にその手を掴まれる。

そして、私の指先を少しくわえると
ちゅぱっと私の指についたアイスを舐めた。

ほんの一瞬の出来事だったのに、指先に触れた裕太の舌は冷たくて、
そのせいかはっきりと私の指には裕太の舌の感触が刻まれている。

「A、どーしたの？顔、真っ赤だよ？」

何もなかったかのようにキョトンとしている裕太が私を見つめる。

「…っ、なんでもない！」

慌てて下を向いた私の手を掴んだままの裕太は
その手を引いて、自分の膝の上に抱き寄せる。

「……知ってる？

Aってチョコアイスより甘いんだよ？」

そう言って、もう一度、私の指をくわえた。

-Fin-