L.O.V.E.-Ⅱ- (ページ30)

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「お疲れさまでした」

お店を出ると、１台のバイクが止まっていて、
その横に少し寒そうにしているサンタさんがいた。

「…北山くん？！」

思わず駆け寄る。

「どうしたの？バイト中じゃ…」

「いやー、やっと子供たちに
プレゼント配り終わったからさ」

「北山くん、ただのカラオケ屋さんでしょ？」

笑う私に北山くんはかぶっていた
サンタの帽子を被せる。

「何言ってんの、Aは夢がないなー」

そう言うとポケットから
赤いリボンがついた鍵を取り出して、
私の目の前でゆらゆらと揺らした。

「なんの鍵？」

「Aのクリスマスプレゼントが
置いてある場所の鍵」

広げた私の両手に北山くんが
その鍵をぽんと落とす。

「じゃあ早速そこに行こっか、
すぐだから。後ろ乗って」

「え？待って、北山くん、バイトは？
朝までシフト入ってるって…」

「大丈夫、あと３０分で戻ればいいから、
ほら！早く！」

北山くんはサンタの帽子の上から
乱暴にヘルメットを私に被せた。

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「はい、到着」

「ここって…北山くんのお家…
ってことはこの鍵は…
北山くんの部屋の鍵！？」

「正解！」

北山くんは私のヘルメットを取って、
サンタの帽子をちゃんと直してくれた。

「俺、バイトに戻らなくちゃいけないから、
部屋で待ってて？
6時過ぎには戻るから」

「うん」

「じゃあ、あとでな！」

北山くんはあっけなくバイトに戻っていった。

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