L.O.V.E.-Ⅱ- (ページ26)

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-Ki side-

Aは俺を引っ張るように手を繋いで少し前を足早に歩く。

表情が見えなくて、
Aがどんな気持ちでいるのか掴めない。

しばらく無言のまま歩いていく。

Aは歩くスピードを落として、
俺と並ぶように歩くと、
小さく息を吸って、口を開いた。

「彼の言ってること間違ってないから」

「え？」

「初めて男の人に好きって言われたの。
だからすっごくドキドキしちゃって、
すぐ意識しちゃって…」

Aは場違いな明るい声を出して笑った。

「最初はそうだったかもしれないけど、
お前は真剣にあいつのこと、好きだったじゃねぇかよ。
俺があいつに嫉妬するくらい…」

「北山くん…

北山くんはすごく優しくていい人。
だけど私は最低な人間だよ？
こうやって北山くんに甘えてる」

Aは繋いでいた手を少し上げて、その手を見つめた。

そしてAはその手を離そうとする。

「そんなこと言ったら、俺だって最低だよ。
お前が弱っているの知ってるからすげぇ優しくしてる」

俺はAの手を離さない。

今年初めての雪がゆっくりと二人を包むように舞い落ちる。

それ以降、Aは俺を避けるかのように連絡が途絶えた。

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