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＊ ページ25
-You side-
ある日、北山くんと並んで歩いていると
前から見慣れた姿が目に入った。
少し歩く速度が遅くなったから
北山くんが不思議そうに私を見つめる。
「A？」
下を向いた私を北山くんが覗き込む。
「Aじゃん」
どうして会いたいときは会えないのに、
会いたくないときには会っちゃうのかな…
神様っていじわる、と思った。
顔を上げると同時に北山くんも声のする方に顔を向ける。
「へぇー、もう新しい男連れてんだ。
意外とお前もやるな」
北山くんは彼の顔を知らなかったから、
一瞬誰が分からなくて驚いた顔をしたけど、
すぐに眉間にしわを寄せた。
「まぁ、お前って好きって言われれば、
すーぐに本気にするもんな？
誰でもいいんだろ？」
「お前っ！」
今にも飛びかかろうとする北山くんを慌てて止める。
「北山くんっ！！」
彼は何もなかったように私たちを追い越していく。
「北山くん……いいから、行こう」
彼を追いかけようとする北山くんの背中を強く押して、歩き出した。
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作者名：あおい | 作成日時：2020年11月5日 21時
