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＊ ページ24
-Ki side-
「今日のところもおいしかったね」
「そうだな、また行こうぜ」
寒さが日に日に増していって、
イルミネーションの暖かい光が
寄り添って歩く俺たちと街を包み込んでいた。
手袋をしていない寒そうなAの手を握る。
Aは少し驚いた顔をして
俺の顔を一瞬見たけど、何も言わなかった。
触れた手はやっぱり冷たくて、
指を絡めるように握り直して、
自分のアウターのポケットに二人の手を突っ込んだ。
俺は寒がりだから冬は苦手だけど、
こうやってAと並んで歩けるのならば
今は包み込むこの冷たい空気さえも
感謝してしまうほどだ。
特に好きとも伝えてなかったし、
Aが俺のことをどう思っているかは分からなかったけど、
今はただ隣に…そばにいれればよかった。
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作者名：あおい | 作成日時：2020年11月5日 21時
