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＊ ページ21
-You side-
今日が最後のチャンスだと思ってた。
少し早いクリスマスプレゼントを持って
私は待っていた。
“18時に○○駅の改札口で待っています”
既読になったそのメッセージに対して
返事は今日まで返ってこなかった。
それでも待ち続けた。
だっていつも彼は待ち合わせに遅刻してきたから。
･
時計は22時を過ぎていた。
大きくついたため息は白くなって
星のない空に消えて行く。
バカみたいにこんな寒空で
何時間も待っているようなところが
重かったのかな…
好きだったのに…
握りしめていた携帯をバッグにしまおうとした時、
ココアの缶が目に入った。
今日で待つのは最後にすると北山くんに言うと
「お前の彼氏、いつも遅刻してくるから」
と温かいココアをくれた。
ココアに手を伸ばすと
缶はすっかり冷たくなっていたけど、
じんわりと心が暖かくなって、泣きたくなった。
･
「どした？」
「………私って重いかな……」
答えをほしい相手には
いつだって何も聞けないまま。
嫌いなら嫌いって言われ方がよっぽど良かった。
静かに私の恋が終わっていく。
･
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作者名：あおい | 作成日時：2020年11月5日 21時
