L.O.V.E.-Ⅱ- (ページ14)

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「お前はよく頑張っているよ」

「だからいいですって…」

「俺はお前が頑張ってること知ってるよ？
誰よりも早く来て、
みんなのために資料整理もしてくれてるし、
仕事押し付けられても、
面倒なことも嫌な顔せずに
責任を持ってしっかりやってる」

その言葉に顔を上げると、
北山先輩は優しく笑って、
私を抱きしめた。

「き、北山先輩…！？」

突然のことに直立不動の私の頭を
抱えるようにして、ゆっくりと頭を優しく撫でた。

呼吸ってどうやってするんだっけ？
というくらい、ドキドキして息がうまくできない。

慌てて大きく息を吸い込むと、
同時に北山先輩の首筋から
北山先輩の匂いが一気に体中に流れ込んだ。

私は不思議な魔法にでもかかったかのように、
ガチガチだった体の力が一気に抜けていく。

このままでは立っていられないと、
咄嗟に北山先輩のスーツを掴む。

それを見抜いたかのように、
北山先輩は抱きしめていた腕の力を少し強めた。

　
「今日もおつかれさん」

北山先輩の言葉やぬくもりが心に沁みて、
泣きそうになる。

しばらくの間、北山先輩は私の背中を
リズムよくポンポンとしてくれた。

腕の力が緩んで、北山先輩が離れていく。

いつまでもこの時間が続けばいいと
願わずにはいられなかった。

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