アイスクリーム -S- ページ2
・
「A、見て！じゃーん！！」
健永は子供みたいに目をキラキラさせている。
健永から今すぐ家に来て！
と呼び出されて、お宅にお邪魔していた。
「これってすごく高いブレンダーじゃない！？
何十万もする…」
「そう！スムージーとか作りたくて買ったんだけど…
実はアイスも作れるんだって！！」
「へぇー！アイスもできるんだ！さすが高級ブレンダー！」
「でしょ？でしょ！？
だからさ、早速、Aに作ってあげるね！
ちょっと待ってて！！」
「私も手伝うよ？」
「いいの！いいの！任せて！！
俺がAに作ってあげたいの！」
そう言うと健永は私の背中を押してリビングに連れて行く。
３０分後―――
キッチンから戻ってきた健永は少ししょんぼりして私の隣に座った。
「どしたの？」
「A…俺、すぐアイスができるんだと思ってたら…
混ぜたら３時間は冷凍庫で冷やさなきゃいけないんだって。
ちゃんと説明書読んでなかった…ごめん」
健永は涙目になりながら肩を落とすから、
私は慌てて背中をさする。
「そんなに落ち込まないで？
ほら？映画とか見てれば３時間なんて結構すぐだしさ！
それに私はその健永の気持ちが一番嬉しいよ、
そういう健永がだーいすきだよ？」
顔を上げた健永の頬にキスをする。
「俺の方が大好きだし…」
そう健永は言うと、私の唇にキスをした。
触れるだけのキスを繰り返していると
健永は私を抱き上げた。
「ちょっと！」
「アイスができるまでAのこと食べちゃおうかなー」
そう言いながら健永はリビングから自分の部屋に移動する。
「お家の方、帰ってきちゃうよ！」
「大丈夫！今日はみんな帰り遅いって言ってたし…
それにさ？
いつ帰ってくるか分かんないとか……
ちょっと燃えるでしょ？」
いつも天使みたいな可愛い笑顔の健永が
ちょっといじわるな小悪魔みたいに笑った。
-Fin-
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作者名：あおい | 作成日時：2020年11月5日 21時
