彼らは俺と距離をとる(過去:5話) ページ17
リビング、片隅でつけっぱのテレビからは有名司会者の声とドッと湧き上がる笑い声
｢A。お前、何か部活には入ったりしないのか？｣
橋を右手に、茶碗を左手にもち耳にテレビの音を入れながら目の前の夕飯を黙々と食べ進めていく俺に、父さんが聞いた
｢ほら、お前、以外と絵とか描くの好きだったろ？美術部とかはどうだ？吹奏楽とかも楽しそうじゃないか｣
その選択肢の中に、｢運動部｣は入っていない
父さんは知っているからだ
俺が、運動なんてまともに出来ない事を
だから、父さんも母さんも俺には何も言わない
母さんは父さんの横で｢お母さんもね、昔は吹奏楽部だったのよー｣なんて楽しいそうに話す
｢･･･俺はどの部にも入んないよ。面倒だし。･･･ごちそうさま｣
一通り食べ終わり、箸を置いて立ち上がる。
｢A、どこに行くの？｣
｢何？自分の部屋にも戻っちゃいけないわけ？｣
｢そ、そんな事･･･｣
｢もうほっといてくんないっ｣
バタン、とリビングの扉を勢いに任せて思い切り閉める。
横目で、母さんと父さんの少し悲しそうな顔を見送り、部屋へと戻る
なにイラついてんだ、俺。
自分達の息子にあんなにビクビクして気を遣いながら接する2人も
2人にそんな態度をとらせている自分にも腹が立つ
ちゃんとわかってる。
2年前の事故が、誰のせいでも無いってこと
俺が助けたあの子供でも
母さんでも 父さんでも
俺自身のせいでもない
だからこそ辛いんだ
今まで平然としてきたことがもう二度とする事はできないという現実が
誰のせいでもない
誰にもこの感情をぶつける事もできない
せめて、誰かのせいにできたなら少しは楽だっただろうか
｢俺･･･最低だろ｣
苦しい
この延々と続く感情のループの海が−
なあ、誰か
俺はここにいる
この深いどこまでも続く海で必死にもがいてる
だから誰か助けてくれよ
部屋なんの温度を感じないベッドの上で
俺は静かに涙を流した
声を押し殺して、ただひたすらに
．
．
学校。
きゃいきゃいと生徒玄関先ではしゃぐ女子に意味もなくいらつく。が、顔には出すが態度には出さないのが俺
まあ大概は予想できる。あの人、黒尾鉄朗。2年の人だ
黒髪で男なのに長い髪のやつと一緒に投稿してくる。黒髪のやつは大層迷惑そうだけど。
この学校全体で見ればかなりイケメンで、女子ウケする顔であろう。髪型が多少気がかりだが。
下駄箱に恋文は間違っている(過去:6話)→←孤爪研磨は提案する(過去:4.4話)
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湧燈(プロフ) - 天音さん» ありがとうございます！嬉しいです！！頑張ります！！！ (2015年11月2日 18時) (
レス) id: 290d132918 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - 面白いです！ 更新頑張ってくださいヾ(＠⌒ー⌒＠)ノ (2015年11月2日 17時) (レス) id: 48a0b1dd4b (このIDを非表示/違反報告)
湧燈(プロフ) - おお！嬉しいです！！更新本当に遅いですが、頑張ります！！女性ももちろん大歓迎です！！コメントありがとうございました！！！ (2015年10月24日 21時) (レス) id: 290d132918 (このIDを非表示/違反報告)
月光 - 私、女なんですけど読んでます！すんごく面白いです！！更新、頑張って下さい！！ (2015年10月24日 21時) (レス) id: 4e1ec2a187 (このIDを非表示/違反報告)
湧燈(プロフ) - ユンシカさん» ありがとうございます！そう言ってもらえると本当に心強いです！頑張ります！コメントありがとうこざいました！！ (2015年10月20日 6時) (レス) id: 290d132918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湧燈 | 作成日時：2015年10月4日 17時
