ふたりぼっち 【増田俊樹】

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貴｢い、痛いっ！｣



母｢あぁ、ごめんね。｣



貴｢な、何したいのっ｣



母｢……もう、駄目でしょ？知らない男の人の家に泊まっちゃ｣



貴｢え？｣


母｢ほーら、家ついたよ｣




なんか、異様に優しくない？
もう私と2人なんだから




母｢ただいまー｣


貴｢……？｣



どたどたと音が聞こえる





　｢おぉ、お帰り｣











貴｢ぁっ、……ゃ…｣



お父さん…






母｢ふ、びっくりした？父さん帰ってきてたの｣


貴｢………｣





お母さんよりも会いたくない人





父｢会いたかったよ。突然居なくなったって聞いたから……ほら、寒かっただろう？入って｣



母｢ごめんねぇ、遅くなっちゃって｣


父｢いやいや、大丈夫。何かあったのか？｣


母｢それが、A、男の人の家に泊まってたみたいで｣


父｢えぇ？大丈夫か？｣


貴｢っ……｣





何…？演じてるの………？
なんのために？





母｢あんなやつの所、二度と行っちゃ駄目だからね｣




"あんなやつ"……




どうして、そんな呼ばれかたをされなきゃいけないの？







私のことを守ろうとしてくれてたのに


最後まで、私の手を握ってくれてたのに






貴｢や、めて！！｣


父｢……なにが｣




貴｢そんなこと言わないでっ！！！｣


母｢はぁ？｣





貴｢あの人は、私の、ことをっ、守ってくれた！
あの人が居なかったら、私っ……死んでた！｣






母｢ちょ、はぁ？｣



















父｢うるさい。せっかく良くしてたのに。やっぱりか。お前は｣

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