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tower of “BABEL”-21/N ページ47

オレの隣で必死にオレを守ろうとしてくれた人の体が崩れ落ちていく｡

｢大野さん!!大野さん!!!｣

必死で名前を呼んでも、固く閉じられた目が開かれることはなかった｡

｢まったく!!手間取らせやがって!!!｣

男の怒声が耳に響いたのと同時に、自分の腹部に強い衝撃が走った｡

｢が･･･!!はぁ･･･ぁ!!!｣

男に腹を蹴りあげられ、そのまま重なるようにして大野さんの体の上に倒れ込んだ｡

それでも、目の前の男の顔を睨み据える｡

｢そんな顔で見るなよ｡
俺達も上司の命令でやってるんだ｡｣

男は笑いながらそう言うと、オレのこめかみに銃口を擦りつける｡

冷たい金属の感触がリアルで、背中に悪感が走った｡

･･･映画とかでこんなシーン撮ったことあるけど、

現実になるとはね････｡

オレは大野さんと体を重ねた状態のまま、両腕をあげた｡

｢ホールドアップか｡
さぁ、鬼ごっこは終わりだ｡
そっちの男と一緒に来てもらうぞ｡｣

｢捕まえたか?!｣

｢あぁ、車をまわしてくれ!!｣

ものの１～２分ですぐ隣の車道に一台の黒塗りの車が横付けされた｡

背中に拳銃を突きつけられたまま、オレは促されるまま車へと向かう｡

先を行く別の男が大野さんを担いで、車の後部座席に放り込んだ｡

｢ちょ･･･、もう少し丁寧に扱えって!!｣

オレの言葉に男は無表情にオレを見た｡

｢なんだ･･･よ｡｣

次の瞬間、オレは男に何か薬品の沁み込んだ布で口元を覆われた｡

ツンとした薬の臭いが鼻をつく｡

すぐに体の力は抜けて後ろにいた男にもたれかかるように倒れた｡

意識を失っていく自分に男達の声が響く｡

｢今から行く場所を覚えられるとまずいからな｡｣

｢あぁ、理化研の存在は国家の機密事項だ｡
国民にバレたら俺達の首が飛ぶ｡｣

｢静かにしろ!!
今、鏑木所長に電話してるんだぞ!!
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・
所長、手間はとりましたが２人を確保しました｡｣

｢これより大野智、二宮和也を理化学研究所に移送します｡｣

その声を聞いたのが最後、オレは深い闇へと落ちていった･･･｡