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tower of “BABEL”-5/miss.K　ページ31

二宮和也を取り逃した私に、一本の電話が入った｡

『おっつー、麗子ちゃん♪
二宮君、捕まえた？』

妙に軽いこの話し方、この声｡

理化研副所長の小城透だ｡

理科学研究所前所長であり、私をこの組織に引き込んだ張本人だ｡

妙に軽いくせに、どこか抜け目のないこの男を私は好きになれなかった｡

｢いえ、まだです｡｣

『え～!!意外に時間かかるんだね？
捕縛に携わってるのって内調の連中だろ？
朝飯前で捕まえてくると思ったのに～』

｢小城さん、大野智もニューチルドレンの可能性が出てきました｡
しかも、非常に強い能力を内包しているようです｡｣

『･･･へぇ、面白いことになってきたじゃない｡
ね、麗子ちゃん｡
俺ら考え方、根本的に変えた方がいいかもしれないよ？』

｢どういうことですか？｣

『能力者は二宮君と大野君だけじゃないってこと｡
知ってるでしょ？
能力者はお互いに引き合うって事実｡
人員配置どうなってるの？』

｢今は二宮和也と大野智の捕獲に比重を置いています｡｣

『そだね♪
とりあえずは２人を捕まえちゃおっか♪』

｢ですがどこにいるのか･･･
すいません、取り逃がしてしまって･･･｡｣

『だったら携帯の電波調べてみなって｡
各携帯会社の電波塔にトラップ仕掛けとくんだよ｡』

｢えっ？｣

『きっと仲間と連絡を取り合う｡』

・

・

私は小城さんと電話を繋いだまま、携帯の通話、メールを調べさせた｡

15分後････｡

｢小城さん、出ました!
大野智が櫻井翔にメールしたみたいです!!｣

『座標わかる？』

｢北緯35度39分31秒、東経139度44分44秒｡｣

『･･･東京タワーだ｡』

｢えっ？｣

『東京タワーに行ってごらん｡
赤い驕りの象徴に可愛い２人は必ずいるから｡』

そう言うと、小城は

『あ、そうだ｡
２人にサイン貰っといてね｡
４歳の姪っ子が嵐のファンなんだよ｡』

『捕まえてくるの、楽しみにしてるよ～ん』

そう言って笑いながら電話を切った｡