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あれから泣いて泣いて泣いて、泣き疲れてそのまま眠ってしまった。

「……ぃ゙ま、なんじ……」

ぼーっとしながら出した声は誰にも聞かせられないくらい酷い声で、もはや笑ってしまった。

おなか、すいたな

台所、行こう……。

のそのそとベットから起き上がり台所へと移動する。

冷蔵庫を開けると

「Aへ
何があったのかは分からないけど、無理はしないでね。
足りなかったらジャーの中にお米と戸棚にふりかけが入ってるのでそれでおにぎり作って食べてね。
母」

と書かれたメモ用紙とラップのかかったおにぎりが置いてあった。

優しいな…。

ひと口齧ると、ごまの香りと鰹節の香りが広がって無性に安心感がありまた涙が出そうになった。

一通り食べ終えたので、自室へと向かう。

明日はおやすみだし、正直お風呂に入る体力なんて残っていなかった。

明日の朝にでも入ろう…と思いながら歩いていると声が聞こえてきた。

「この度、私あほの坂田。は数年前からお付き合いさせて頂いていた女性と─────」

走った。

これ以上聞いていたくなかった。

ようやく落ち着いのに、なんで。

「あぁ、もう…ほんとに今日はツイてないな……!」

なんだか無性にイライラして自室の襖を乱暴に開ける。

なんでまだ家にいるの

そりゃ、うちは関東圏だけど都心からは遠いけど

なんで なんで

なんでよりにもよって、あなたのリアコがいる家でそんな残酷な放送、するの

なんて、理不尽なのはわかってる。

そりゃそうだよ、坂田さんは私の事お姉ちゃんの、恋人の妹くらいにしか思ってないんだもん。

自分のリスナーでリアコだなんて思うわけないじゃん。

だからそう、これはバレちゃいけない。

この気持ちも、あきらめ、ないと、

「……むり、だよ…………」

だって、だって大好きだった

愛してた

ちんちくりんの高校生が何を、って思うかもしれないけど、

でも確かに私は坂田さんに恋をしていた

優しい歌声も

わんこ系に見えて意外と塩対応なところも

でも坂田家にはすごく、すごく優しくて甘くて

愛してくれてるところも

ぜんぶ、ぜんぶ、

「好きだったんだけどなぁ……。」

心が苦しい

何もかも投げ出したい

失恋って、こんな感じなんだ

なんかもう、消えたくなってきた

思考がやばい

寝よう

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作者名:ももせ | 作成日時:2023年5月3日 21時

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