Destiny ～３～【ars】 (ページ5)

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初日…２ページ5

飲み物が運ばれてくる。

TVで良く見るヤツ(笑)。

二宮『ベタな(笑)。』

A『いいじゃない(笑)。』

Aがグラスを持って外をぼんやり眺める。
一口飲んで

A『…美味しい。』

俺も一口。

二宮『うん。美味い。』

A『こんなにのんびりした時間を過ごすの…初めてかも…』
Aが呟いた。

以前聞いた過去。

壮絶な過去。

俺には想像もつかない。

人を殺めた過去。
拷問を受けた過去……。

お前はずっと…過酷な日常を過ごして来たのか…？

ふと、となりに居るこいつが消えてしまうんじゃないか、と錯覚した。

二宮『……今夜。』

A『ん？』

居なくならないで……。

二宮『……今夜……ディナーでも一緒にどうだ？ルームサービス頼んでさ。』

A『あら。嬉しい(笑)。』

願いを込め……。

二宮『……冗談だと思ってる？』

A『…私で良ければ……。』
少しだけ頬を赤く染めている。

お酒のせいか…

サンセットのせいか…

やめろよ。
勘違いするじゃねーか……。

日が傾いて

波に反射しキラキラと光る。

２人でソファーに身を沈め、

しばらく外を眺めていた。

フィジーの太陽が水平線に沈みかけ、

A『時間って…こんなに早かったっけ…』
Aがポツリ。

二宮『……俺、先に戻るわ。待ってるから。』

A『…うん。』

来た道を戻り部屋へ帰る。

ルームサービスを頼み、

潮風で少しベタついた身体をシャワーで流す。

少しして、

酒と料理が運ばれて、

テーブルセッティングをし、

キャンドルをあちらこちら。

ふと苦笑い。

なにやってんだ俺(笑)。

でも、Aと過ごす時間を楽しみにしている自分が居ることは否定出来ず。

女の為にここまでやったことなんかなかった。

俺…必死だな(笑)

いや、本気………なのか…。

そう考えながら、頭の片隅には相葉くんと大野さんのこと。

あの２人は…少なくとも相葉さんはベタ惚れだ。

きっとベッドも共にしたはず……。

大野さんも…。あのCM撮影の時の雰囲気は…きっと抱かれたことがあるんだろうな…。

それでも軽い女だとは思わず。

彼女の中で迷ってることもわかる。
葛藤してる。

そこに…………俺も…………加わっていいのか？

アイツを悩ませるコトになるんでは………。

でも……

居なくならないで欲しい。

それは真実。