142 - 番外編 ページ32
【才能2】 七海side 領域
*
ある日、Aさんに見て欲しいものがあると呼び出された。
彼女の蒼い眼が静かに揺らめき、呪力が全身を巡る。
A
「領域展開。」
彼女の小さな唇がゆっくりと言葉を紡ぐ。
A
「想々白書。」
祈りを捧げるように胸の前で手を組み、そう呟く。
突然の眩しさに思わず眼を瞑る。
光が収まり眼を開けた時にはもう、彼女の領域内。
一つも色が無い、ただただ白が広がる世界。
彼女と私だけが色を持っている。真っ白な領域。
A
「どうかな。」
目の前に悠然と立つ少女は才能に似つかわしくない、眩しい笑顔を向ける。
領域展開。
彼女はいつの間にか会得していたようだった。
どれだけの努力を積み重ねて来たのだろう。
どれだけ努力をしたら呪力の本質、それを掴めるのだろうか。
私には到底理解し得ない。
A
「術式使えないでしょ?」
彼女の言葉を聞き、気付く。
術式解除、それは彼女の手で直接触れないと意味が無い。
私は触れられていない。
A
「この領域内は術式使用不可。」
「その代わり領域内で相手は絶対に死なない。」
「私が死ぬのはあるけど。」
七海
「…貴方もきっと…。」
五条さんみたいな才能溢れる人になるんでしょうね。
A
「建人さん?」
七海
「…そろそろ解いたらどうですか?」
「鼻血出てますし、汗凄いですよ。」
彼女は鼻血が流れ、ポタポタと大粒の汗を落とし、息もかなり荒い。そろそろ限界だろう。
A
「まだまだ力不足だなぁ…。」
七海
「それだけ出来てればいいでしょうに…。」
「五条さんには見せたんですか?」
A
「ううん、まだ。」
七海
「見せないんですか?」
A
「うーん…。」
「機会があったらね。」
七海
「そうですか。」
あの人に見せたら、まるで自分の事のように大喜びするだろうに。
その姿が脳裏にハッキリと浮かび、思わず溜息をついた。
*
A
「疲れた…。」
七海
「あれだけ呪力を使えばそうなるでしょうね…。」
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mito(プロフ) - みんとさん» こちらこそありがとうございます!他にもリクエストありましたらお願いします! (2021年2月25日 21時) (レス) id: bf0506b15b (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - mitoさん» ありがとうございます!! これからも応援します!! (2021年2月25日 21時) (レス) id: 10875fa8fc (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - みんとさん» リクエストありがとうございます!!五条家の落し物4で書かせて頂きます! (2021年2月25日 20時) (レス) id: bf0506b15b (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - 突然すみませんm(。>__<。)m五条先生へのプレゼントを恵くんか虎杖と買いに行っているのを五条先生に見られて、喧嘩しちゃうのとか見たいです……!! (2021年2月25日 20時) (レス) id: 10875fa8fc (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - みるたそさん» いえいえ!ネタ切れになりつつあるので、リクエスト下さると本当に助かります!他にも何かありましたらお願い致します!笑 (2021年2月23日 16時) (レス) id: bf0506b15b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mito | 作成日時:2021年1月29日 5時