103 - 番外編 ページ43
【七海建人の溜息8】 お願い
*
A
「おかげであの後大変だったんだからね。」
「建人さんのせいだよ。」
七海
「私明らかに関係ないですよね。」
カフェでコーヒーを飲む建人さんの前に座る。
この人毎日スーツで大変じゃないのかな。
呪術師なんて着るもんなんだっていいのに。
A
「あ、すみません。」
「ケーキと紅茶のセットひとつお願いします。」
届いたケーキをひと口食べる。
うん、美味しい。
七海
「ところで、今日は何の用ですか?」
A
「あー、うん。」
「あんまり大したことじゃないけど。」
ティーカップを手に取りふぅふぅと冷ましながら喉に流し込む。
紅茶のいい香りがする。
A
「建人さんに一級術師への推薦お願いしたくて。」
七海
「充分大したことです。」
A
「そっかな?」
七海
「それにしても随分と急ですね。」
「何かあったんですか?」
*
五条
「Aは充分強いから一級でもいいんじゃない?」
A
「え、なに急に。」
五条
「皆と一緒に冥さんに推薦して貰おっか。」
A
「なんで推薦の話になったわけ?」
五条
「近々、悠仁達も推薦しようかなって。」
A
「ほう。」
五条
「任務に同行する術師は七海にしよっかな。」
「七海なら安心だし、僕からお願いしとくよ。」
「だから暫く任務は七海と行ってね〜。」
*
A
「ってなわけです。」
「悟に任せるより自分でお願いしようと思って。」
七海
「なるほど。」
「確かにAさんは一級でもいいでしょうね。」
「それぐらいしっかり実力がついてきている。」
ケーキを食べ終え、フォークをお皿の上に置く。
A
「…お願いしてもいいですか?」
これ、断わられたら私誰に推薦して貰うんだろう。
悠仁達は東堂さんにって悟が言ってたけど。
東堂さんから推薦されるなんて死んでも嫌。
建人さんをじっと見つめる。
頼むからOKしてくれ。
七海
「…構いませんよ。」
A
「やったぁ!」
七海
「でも一つだけ約束して下さい。」
A
「…なに?」
七海
「何よりも自分の命を優先して下さい。」
「私よりも、一般人よりもまずは自分の命を。」
「それが条件です。」
「いいですね?」
A
「わかりました。」
「…そんな私心配?」
七海
「Aさんは少々危なっかしい所があるので。」
A
「えっそうなの?」
*
私ってそんな危なっかしい…?
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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時