75 - 本編 ページ15
【稽古5】 褒めてよ
*
五条
「いや〜、遅かったねぇ。」
見せた第一声がこれである。
A
「は?」
五条
「Aならもっと早くわかるかなと思ったけど。」
意外だなー。と、足を組んで椅子に座る悟。
コイツ…ぶっ飛ばしてやろうか。
*
五条
「ねえ〜ごめんってば〜。」
クソムカついたから家に帰ってから、ずっと悟を無視していた。
淡々と晩御飯の準備をしていると、後ろからじとっとした視線を感じる。
なんだその顔は。
あんたが悪いんでしょうが。
五条
「なんでそんなに怒ってんのよー。」
A
「…自分の胸に聞いてみれば?」
ムカつくムカつくムカつく。
こんなバカに褒めて貰おうと少しでも思った自分にもムカつく。
思わず包丁を握る手に力が入る。
五条
「オイ。」
後ろからするりと腰に手を回される。
肩に悟の顔が乗せられ、耳に吐息がかかる。
A
「邪魔。」
五条
「教えろよ。」
A
「自分で考えろよ。」
五条
「わかんねぇから聞いてんだよ。」
A
「ひゃっ!?」
はむっと耳を噛まれ、変な声が出る。
ゾワゾワとした何ともいえない感覚に襲われる。
A
「何してんの!?」
五条
「言わねぇともっかいやるぞ。」
絶対やだ。
A
「…悟が褒めないから…。」
五条
「…は?」
A
「褒めて欲しかったの!」
「はい!言った!これでいいでしょ!離れて!」
五条
「………ダメだ。」
「Aが可愛すぎて離れらんない。」
「離れたら僕死んじゃうよ。」
A
「勝手に死んでくれ。」
*
包丁でもぶん投げてやれば良かった。
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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時