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75 - 本編 ページ15

【稽古5】 褒めてよ





五条
「いや〜、遅かったねぇ。」


見せた第一声がこれである。


A
「は?」


五条
「Aならもっと早くわかるかなと思ったけど。」


意外だなー。と、足を組んで椅子に座る悟。
コイツ…ぶっ飛ばしてやろうか。





五条
「ねえ〜ごめんってば〜。」


クソムカついたから家に帰ってから、ずっと悟を無視していた。
淡々と晩御飯の準備をしていると、後ろからじとっとした視線を感じる。
なんだその顔は。
あんたが悪いんでしょうが。


五条
「なんでそんなに怒ってんのよー。」


A
「…自分の胸に聞いてみれば?」


ムカつくムカつくムカつく。
こんなバカに褒めて貰おうと少しでも思った自分にもムカつく。
思わず包丁を握る手に力が入る。


五条
「オイ。」


後ろからするりと腰に手を回される。
肩に悟の顔が乗せられ、耳に吐息がかかる。


A
「邪魔。」


五条
「教えろよ。」


A
「自分で考えろよ。」


五条
「わかんねぇから聞いてんだよ。」


A
「ひゃっ!?」


はむっと耳を噛まれ、変な声が出る。
ゾワゾワとした何ともいえない感覚に襲われる。


A
「何してんの!?」


五条
「言わねぇともっかいやるぞ。」


絶対やだ。


A
「…悟が褒めないから…。」


五条
「…は?」


A
「褒めて欲しかったの!」
「はい!言った!これでいいでしょ!離れて!」


五条
「………ダメだ。」
「Aが可愛すぎて離れらんない。」
「離れたら僕死んじゃうよ。」


A
「勝手に死んでくれ。」





包丁でもぶん投げてやれば良かった。

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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時

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