60,いってらっしゃい ページ29
「じゃあ行くわ」
なんて、
雑に涙を拭った彼は
私達に向かって手を振った。
行っちゃうんだ。
楽しかったなぁ、
光が転校してきてから。
色んなことがあったけど、
それでもいっぱい笑った気がする。
友達だって増えた。
「またね」
そらるが笑った。
いや、
正しくは微笑んだ…だろうか。
私の涙は止まらなくて
光はそれを見て、私の頭を撫でた。
「A、ほら泣かないの」
「…っ」
こんなの泣いちゃうに決まってる。
でも、
光に迷惑かけてるよね。
涙を拭って、
私は口を開いた。
「いってらっしゃい」
また、
『おかえり』って言えるように。
まふはぼろぼろ泣いていて、
そらも何粒か、涙を落としていた。
別れって、
こんなに辛いんだなぁ…って。
「うん。
いってきます」
そう笑うと、
光は電車に乗り込んだ。
ドアが閉まったら、
本当に彼は行ってしまう。
でも、
私は見送るしかないから。
「またね」
そんな言葉と共に、
丁度ドアが閉まった。
光は一瞬悲しい顔をしたけど
私を見て微笑んだ。
「行っちゃったね」
「うん」
そらと、そらるが
そう言って涙を溢した。
「もう会えないのかな」
まふがそう、涙を流した。
そんな訳ない。
絶対また会えるもん。
おかえり、って
絶対に言ってくれるもん。
私は、
自分でそう信じ込ませて
涙を極力堪えた。
まぁ、
無理なんだけど。
私は携帯を取り出して、
光のアドレスを消そうと試みた。
だって、
あっちも消したって言ってたから。
なんて
開いてみると、一件のメールが届いていた。
「え……?」
『絶対帰ってくるから泣かないの。
俺が帰ってきて、
Aに彼氏が居なかったら
また、
一瞬に笑おう?』
そんなメール。
何これ。
光は、
電車の中でこれを打ったんだろうか。
さっきまで気付かなかった。
私はそっとメールを閉じて、
涙を拭って3人に告げた。
「帰ろ?」
待ってるよ、光。
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アカメガネ(プロフ) - 今更ながらこの小説を読ませてもらっています。luz君から引っ越しが告げられるという意外な展開のとこから本当の友達が引っ越すかのように悲しくなる位のめり込みました(( これからも活動頑張って下さい!(?) (2015年12月6日 1時) (レス) id: 58de198dd5 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 奈美子さん» そうですね…小説作りますけど、題名がまず『ぱんつ。』で、luzさんと夢主さんにはぱんつ被って恋してもらいます(笑顔)。チャットになってしまうので、レスは不要です。 (2015年11月15日 4時) (レス) id: 78a494227f (このIDを非表示/違反報告)
奈美子(プロフ) - めろんぱんさん» そうですねwじゃぁもしも最終的にぱんつが一番多かった場合ぱんつ被って踊り明かしますか?← (2015年11月15日 4時) (レス) id: d0399a74e9 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 奈美子さん» 嬉しいです…!! 27日よりもぱんつの方が投票多いんですよもう泣いていいですよね泣きます('∀'°。 (2015年11月15日 4時) (レス) id: 78a494227f (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 胡麻崎さん» コメントありがとうございます!! せっかくコメントしてくださったのにすみません…!! 是非アンケートの方にご協力願いたいです! (2015年11月15日 4時) (レス) id: 78a494227f (このIDを非表示/違反報告)
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