47,分かんない ページ16
教室に入ると、
いつものように迎えてくれる友達。
それと、真剣な顔をしたそらる。
分かってるよ、
そらるが何を言いたいのか。
まふのことだよね。
そらるはいつも大人で、
私とまふが喧嘩をすると
決まって仲直りをさせようと中立の立場に来る。
「A、ちょっといい?」
「うん」
そらるは私の手を引くなり
隣の学習室に入った。
冷たい空気が窓の隙間から入って
私の頬を擽った。
「まふ泣いてたけど、何かあった?」
そんな優しい口調。
私とは違う、落ち着いた声。
「別れちゃった」
そう言うと、
「やっぱり」なんて溜め息をついた。
そらるは何でも察しちゃう。
だから、
私達の喧嘩の原因だって
何となく分かってて聞いたんだ。
「どうしたの」
「…私ね、まだ光のこと好きなんだ」
そう言うと、
そらるはうんうん、と頷いた。
「それをさ、
まふ分かってたみたいで
そんな私と付き合うの嫌になったんだって」
目尻が熱い。
油断したら、
もう涙が零れてしまいそうで
力を入れてまた口を開いた。
「当たり前だよね。
これからまふのこと好きになっていこうって思ってたけど
やっぱりそんなの無理だった」
あぁ、ダメだ。
涙が零れた。
それが制服に落ちた。
なんで泣いてるの、
最低なのは私なのに。
すると、
そらるが私の手を引っ張った。
「Aは悪くない。
っていうか、誰も悪くないよ」
衝動的に
彼の胸に飛び込んでしまった。
そらるは、
いつだって私のお兄さんみたいだ。
彼に相談すると、
不安諸共吹き飛ぶ。
「泣かないの、
るすくんだってAのこと好きなんでしょ?」
「でも…
まふに悪いよ…っ
我が侭だけど、私まふにもそらるにも隣にいてほしい」
「じゃあ隣にいるから。
まふだって本当にAから離れるわけないし」
なんて、
私を離して頭を撫でた。
なんでそんなに優しいの。
「そらさんまたあっちに戻るんだって」
「え…?」
「俺、一回も話せなかったわ」
なんて、
そらるが苦笑した。
ううん、
もしかして泣いてる?
そらるの涙なんて
何年ぶりに見ただろうか。
「Aが羨ましい」
そんな言葉の意味、
私には理解ができなかった。
「ほら、授業始まるわ」
なんて、
学習室を出て教室に戻った。
光、
仲直りしたいよ。
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アカメガネ(プロフ) - 今更ながらこの小説を読ませてもらっています。luz君から引っ越しが告げられるという意外な展開のとこから本当の友達が引っ越すかのように悲しくなる位のめり込みました(( これからも活動頑張って下さい!(?) (2015年12月6日 1時) (レス) id: 58de198dd5 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 奈美子さん» そうですね…小説作りますけど、題名がまず『ぱんつ。』で、luzさんと夢主さんにはぱんつ被って恋してもらいます(笑顔)。チャットになってしまうので、レスは不要です。 (2015年11月15日 4時) (レス) id: 78a494227f (このIDを非表示/違反報告)
奈美子(プロフ) - めろんぱんさん» そうですねwじゃぁもしも最終的にぱんつが一番多かった場合ぱんつ被って踊り明かしますか?← (2015年11月15日 4時) (レス) id: d0399a74e9 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 奈美子さん» 嬉しいです…!! 27日よりもぱんつの方が投票多いんですよもう泣いていいですよね泣きます('∀'°。 (2015年11月15日 4時) (レス) id: 78a494227f (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 胡麻崎さん» コメントありがとうございます!! せっかくコメントしてくださったのにすみません…!! 是非アンケートの方にご協力願いたいです! (2015年11月15日 4時) (レス) id: 78a494227f (このIDを非表示/違反報告)
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