この手、ぎゅっとつないで (ページ43)

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刹那、重なった咆哮の正体は____
瓜江さんだった。

お互いぼろぼろの身体で、
私は“オウル”を。
瓜江さんは己の赫子を。

【本物】のドナートにしっかりと突き刺した。

再起不能なまでに、奥まで強く刻みつけるように。

「………は、」

「(…！)」

決着がついた、と確信した________

「“神父”を舐めるな、仔猫共」

_____うそでしょ。

また起き上がるの？

確かに瀕死状態ながらも重く起き上がるドナートに絶望しかけた刹那_________

ズシャアアア！！！！！

「____！」

ドナートの頸に、太く強くクインケが突き刺さる。

誰の？

瓜江さんのじゃない。

「…！」

顔を上げるとそのクインケの“主”はいて、
彼が深く被ったローブのフードがゆっくりと剥がれていく。

次第に彼の顔は現れた。

「___決着だ、ドナート」

目を見開いた。

大きな身体、黒い髪、低い声。

「亜門、さん」

わたし達を助けてくれたのは、亜門さんだった。