ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ40)

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照 side

…今日の喧嘩は仕方のないことだ。

俺の借金取りが妹の病院にまで押しかけた。
だから取り立て屋をボコしに行った、それだけ。

無人の建設現場の見回り。

照「…頭、」

汚れを払ってくれた彼女。
…惹かれているのか、いないのか。

後者を信じたいだけだ。

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この前彼女と補強した所を手で押していると
突然に大型ライトの光が消えた。

照「え、何で…？」

手持ちの懐中電灯の電気も消えかけ。

照「だめだめだめ…やばい、」

がれきの下にいる自分の足を掴む男。

自分が助かりたくて手を振り払ったあの日。

どうも暗い所にいると、あの出来事が頭に浮かぶ。
その場から逃げようとすると、聞こえるはずのない声。

“俺が見えるか？”

恐る恐る振り向くと、
手を振り払ってしまったあの男の子の姿。

“見えないの？”

照「っ…ちが、う」

慌てて事務所まで戻って、荷物を掻っ攫う。

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とにかく俺はパニック状態に陥っていたらしい。
いつの間にかマリさんに助けられていた。

マ「道を行く人にケンカをふっかけて
　ぶっ倒れている所を見つけたのよ。
　泣いてるし、10年前と何も変わらない。」

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