ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ32)

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A side

不幸は繰り返される、とよく言う。

ネットで見た記事なんて当てにはしていない。
“工事現場は雨の日、事故の確率が高い”だなんて。

『ねぇ！』

事務所に入っても、もぬけの殻。
外は雷がひどい。

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見つけたと思ったら一生懸命、
泥だらけになって横の土を掘っている。

靴なんてどこにもないのに。

『はぁ…』

個以上掘ったら崩れることなんて分かりきっているから
私が木を支える。

照「っは…ぁ」

『手伝ってよ…！』

がくがくと震え、目の焦点が合わない彼に活を入れる。
もう既にひび割れている支えの木板。

一緒に背中で木枠を押す。

照「な、んでお前がここに居る！？
　いつ来たんだよ…！？」

『はぁ！？』

ついさっきまでの記憶はどこへ行ったんだ。

照「1人なのか！？携帯は？」

『向こう！』

照「1人で来るなんて何考えてんだよっ」

『貴方が心配だったから、っわ！』

どこからか懐中電灯の明かりがこちらを照らした。
2人で顔を見合わせて泣き叫ぶ。

照「おい！！」

『誰か居ませんか！』

照「助けろ！」

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