隅っこの彼2 (ページ41)

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ぬいぐるみ樹side ページ41

お風呂まで少し時間が空く俺たちは部屋でトランプをしようって言ったのに
Aはスマホを何度か確認すると少し売店に行くと言って部屋を出た
Aが部屋を出た途端北斗はベッドにぶっ倒れて
俺はテーブルに置いてあるAの財布を見て

「あ、あいつ財布忘れてんじゃん」

Aの財布を持って追いかけようとベッドから立ち上がれば

「いらねーんだろ売店じゃねーんだろ」

ベッドにうつ伏せの北斗がAのぬいぐるみを抱っこして呟いた

ああなるほどねそう言うことか

「止めればよかったじゃん？」

トランプを置いて北斗の背中を見ながら問いかける

「止められねーじゃん彼氏でもねーのに」

すげえ小さな声で返事してさ
こういう時は割と素直に北斗は本心を話すから
こういう時俺は北斗の本心に触れるんだ

「お前次第じゃねーの？
お前次第で友達のままか
それ以上になるか決まるじゃん
お前が行くなって行ったらAは行かねーだろ」

俺はベッドに仰向けに寝っ転がって天井を見つめて

「そんなのわかんねーじゃん
美勇人は俺なんかよりずっといい男だし
ずっと優しいしずっと大人だから
あいつなんかにすきなんて言われたらわかんねーじゃん」

全くこいつは何を言ってんのかな？
てかもう悩む必要なくね？

「それはあいつが決めることでしょ
てかお前とっくに答えなんか出てんじゃん」

そう言って笑う俺に

「今日はまだ何も言われてないから返事のしようがない」

そうぬいぐるみを見ながらボソッと呟いた

「北斗から言えばよくね？」

もたもたして自分で遠回りしてる北斗に笑って確信をついてやったのに

「うるせえ」

深く枕に顔を埋めて片手でぬいぐるみを抱いている
余裕がなくて自信のない北斗を見れるのなんて中々レアだけど
俺はまあまあ見てきた
それは北斗が俺に心を開いてるからで北斗が俺を頼ってるから

「塩とコンソメどっちがいい？」

本心を聞き出した後はいつも通り接するだけ

「あ？コンソメ」

ほらなまだくよくよはしてるけどいつも通りの北斗に戻るんだ

後は北斗次第だろ？

Aはなんで今日おかしいかは
まだ分かんねーけど
まあ北斗の謎は解けたからよしとするか

てかぬいぐるみお前が一番需要あったじゃん