隅っこの彼2 (ページ21)

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6回目北斗side ページ21

ある日の昼休み
隣の彼女はぶつぶつ言いながら
ノートになにか書いている

「なにしてんの？」

彼女は俺に視線をゆっくり移して

「ほっくんは5回樹は4回」

それだけ言ってまたノートを見る
は？なに言ってんの？

そう彼女に聞こうとしたタイミングで
俺の机の前でピタッと止まる足音と同時に

「松村くん少しいい？」

女の子の声がする
俺はAから女の子に視線を移す正直面倒だなそう思いながら

「なに？」

そう答えると顔を少し赤らめる女の子は外いい？
そう言って足を進めるから俺も立ち上がり後をついて行く
そんな俺をAはジーッと見つめてた

体育館までの廊下で女の子は止まると

「松村くんがすきです付き合って下さい」

そう俺を真っ直ぐ見つめてた俺は女の子の目を見て

「ごめんね」

女の子は俯いたあと少し笑って

「Aちゃん？
松村くんはAちゃんがすきなの？」

女の子を真っ直ぐ見つめたまま

「それはこたえられないかな
それは一番最初にA言ってあげなきゃいけないから」

女の子は俺を見てあんまり待たせたらダメだよなんて言って走って行った

分かってるよそんなの俺も分かってるよ

戻る途中
自販機でAのすきなオレンジジュースを買おうとしてたら

「北斗オレンジジュースなんて飲むんだ」

「美勇人？」

美勇人が柱に寄っかかって立っていて俺に声をかけた

「Aのに決まってんだろ」

ボタンを押した俺を見てだよな？って笑う

「なあ北斗？俺Aすきかも」

まあそーいうことなんて付け加えて去って行く

美勇人の後ろ姿を見ながら呟いた
かもじゃないだろもう

教室に入るとAは樹と話してて
そんなAにオレンジジュースを手渡すと
Aはさっきの態度とは違って
満面の笑みでにっこり笑いながら

「ありがとーっ」

やけににこにこしてて気になったけど
まあいつものことかと俺は席に着いた

窓の外を見ながら気付いて笑う

なるほどね

3学期になってやたら呼ばれるもんな

間違ってなければ

俺は6回になったかな？ってかお前も6回だろ？

俺だって数えてんだよ

ばーか