ネージュに染まれseason3 (ページ20)

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ボーダーラインページ20

「ごめんね」

私がこのごめんねの意味を知るのはもう少し先だったよね

珍しくリビングでさっくんと2人きりになり隣でさっくんは眉を下げると呟いてリビングから出て行ったんだ

『なんだろ』

小さな声で呟いてもさっくんには聞こえるわけなくて少ししてリビングに入ってきたふっかは私を見るとにっこり笑う

「ねえちょっと出かけない？」

『え？』

「じゃあ15分で準備出来る？」

『え、あ、うん』

パタンと閉まったリビングの扉を見つめながらなんだか最近騒がしいな～なんて思ったんだ

『なにこれ？』

「ん？ゲームセンターだけど？」

『それは知ってる
え？これに私誘われたの？』

「最近疲れてるんじゃないかって...あーおしい...ん、思ってまあ誘いました」

可愛らしい大きなうさぎのぬいぐるみは少し持ち上がって元に戻る

もう一度小銭を入れたふっかの横顔は少し真剣で色んな音が騒がしく聞こえてくるゲームセンターだからこそ

『ほんの数ヶ月で何年も変わらなかったことが変わったからさ』

心の声がぽろっと出た

「時間じゃないと思うんだよね....っとよっしゃとれたはいっA」

『でかっあ、りがと』

「どういたしまして、ほらAはさ俺らに守られとけばいいよ」

『でもそれじゃ...』

「甘やかすだけじゃないから俺ら」

ほら

こうやって

大人はツンとデレの境目を絶妙なバランスで出してくるから嫌なんだ

『ふっかってなんかやだ』

「えーっ俺は好きなのに？」

ほらね

でもこの時だって私はさ自分のことに必死でなにも見えてなかったんだ

本当のみんなのことがさ