30 ページ30
この事務所に入って少しだったころ、
「これから新しいグループを作ろうと思っていて、そのボーカルオーディションをやる事になったんだ。コーイチも受けてみない?」
事務所スタッフに言われて、おれは即答だった。
1「もちろん。受けます。」
受かるかは分からんけど、このまま何もやらないのはすごく嫌だったから、
自分ができることはなんでもやろうって決めたんや。
ス「実はオーディションが東京の事務所なんだけと、大丈夫??交通費とか」
1「はい、大丈夫です。やらせてください」
とはゆーたものの、
1「東京か、、嫌な思い出しかない、、」
まえの事務所でグループを組んでいた時にも一度東京でレコーディングをしに東京に行ったことがある。
そん時も沢山ダメ出しされて落ち込んどった。
メンバーよりも遅れてスタジオをでた。
「おい吉野!みんなもう車だぞー!」
1「おん!。。」
事務所をでるとき入り方でスタッフにこれでもかってくらい頭を下げた同い年くらいの女がいた。
、、「お願いします!一度でもいいので聞いてください!、、」
どうゆう状況かはしらんけど、
その光景をみていると無性に腹が立って。
何をこんなに一生懸命なんだって、
なんか、顔もよく分からん、名前も知らんその場でただすれ違った人なのに、
どうしてか気になって。
何もやっていなかった自分と重なって、
悔しかった。
きっとこいつ誰にも相手にされてないって分かった、
制服着てまだあどけなさが残っていて、
1「そんなんじや舐められるっちゅーねん」
おれはそいつに聞かれないようにボソッと呟いた。
東京からもどってきてもずっとその時の光景が頭から離れなくて、
1「おれも何かアクションを起こさんとな、この前のやつみたいにな。」
他人に影響されることなんて今までなかったけど、
これがきっかけでおれは今の事務所にいる。
19人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆ | 作成日時:2016年11月26日 0時