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ご飯が用意してあるという部屋へ行くと、素朴だけどとっても美味しそうな和食が机の上にたくさんあった。
相変わらずタバスコをあらゆる料理にぶっかけているミツバさん。
「どうぞ」と真っ赤な物体を勧めてくるけど『まだお腹すいてないので』と笑顔でかわす。
「Aちゃんは、最近このあたりに来たって言っていたでしょう?こんな田舎にまたどうして?」
『えっと・・私・・』
どうしよう。
あなたが生きているこの世界が、実はある作家が作った作品の中で、
この世界とは全く違う別の世界から来たんです
なのでこの後起こることをほぼ知っています。
なんて言っても信じてくれるはずがない。
変人扱いされるのなんか御免だ。
『家出、してきたんです』
ぽつり、と口から出た言葉にミツバさんは一瞬目を見開くものの、すぐに笑顔になり
「そうなのね」とつぶやく。
『詳しく聞かないんですか・・?』
「ええ、言わないってことは言いたくないのでしょう?無理に言う必要はないわよ。」
ありがとうミツバさん。
今はまだ言えないけど、乗り越えたら必ず、全部伝えます。
「あのね、わたしには可愛い弟がいるの。目に入れても痛くない、とーっても可愛い子なの。」
し、しってますとも。
わたしの推し、沖田総悟さん!
『ミツバさんそっくりでかわいいんでしょうねぇ〜』
なんて言えば「そうなの!そうなの!でね、名前は総悟って言って・・・」と身を乗り出して話し始める。
『あの、それで・・総悟さんは今どちらに・・?』
「江戸にね、行ってしまったの。」
途端に曇る表情。
あぁ、さみしいんだな。
そんな思いを見透かすかのように、
「でもね、夢を追いかけて江戸に行ったみんなのもとへ、私もいつか行くの。元気になって驚かせちゃうんだから!」
あっという間に笑顔にかわる表情。
「それにね、ここには優しい人達ばかりでとーっても住みやすいのよ。もし行くところがないのならAちゃんもここで一緒に暮らしましょうよ」
『え・・?いいんですか・・?』
なによりも総悟くんに会いたいけど、
この世界へきて右も左もわかってない今の状態で江戸へ向かうのは明らか得策じゃないし、
なによりミツバさんのそばにいて支えてあげたい。
『ミツバさん、よろしくお願いします!』
そして、ミツバさんと一緒に暮らすことになった。
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作者名:yua. | 作成日時:2022年12月15日 0時