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Dream 3 ページ3

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「凜が結婚なんて感慨深いなぁ」

「そうだね、俺にとっても赤葦が結婚はびっくりだったよ」





信行の隣でビュッフェを楽しむ。

梟谷高校の友人たちに囲まれながら会話を弾ませる本日の主役たち。

それを遠くから眺めているという構図が自分と結婚の距離を表現しているような気がして。

それが悲しいとか辛いとかいうマイナスな気持ちに繋がるわけではないが、何となく、お酒に手が伸びる。






「信行は彼女さんと最近どうなの?」

「今まで通り幸せに過ごしてるよ」

「そらそうだよね、」






仏の人間版である信行が彼女と順調なのは当たり前の話で
何故聞いてしまったのかは自分でも分からない。

少しでも上手くいってなかったら嬉しく感じたのだろうか。





「Aは相変わらず1人?」

「…そうだね」

「俺1人おすすめだと思う人いるんだけど、どう?」

「…んー、遠慮しとく」

「はは、そう言うと思った」





はい、どうぞって言いながら普段は飲めない少し高めのワインを差し出す信行。

なにかに飢えた農民に食物を与える神様のようだ。

ぐっ、と1口で飲み干す。

もっと優雅にゆっくり飲みたいところだが気分が何となくそうではない。





「……はぁ、」

「Aにしては深い溜め息だね」





空になったグラスに再び隣の神様がワインを注ぐ。

おかげでグラスは紫色に染まっていくけれど
またそれもすぐ透明に変わって。


答えの決まっている無駄な質問をしたり、異様に酒を欲したり、普段はない深い溜息がでたり。

さっきから原因の分からない行動が多すぎる。






「海ー!赤葦が梟谷と音駒で写真撮ろうだって」

「いいね、今行くよ」






もう1人の同級生バレー部、夜久くんが信行を呼ぶ。

夜久くんの隣には黒尾くんもいて、そちらの方に向かう信行を見ながら、3人で思い出話に花を咲かせるのだろうと予想する。

飲んでいたワインボトルに視線を戻し手を伸ばすものの
あくまでもこれは凜の結婚式の2次会。

周りは年が1つ下の子ばかりで信行以外の知り合いがいるわけでもなく。

何となく1人でこのまま飲み続けるのはどうかと思い
ワインボトルではなくスマートフォンを握る。




時刻はまだ20時35分。

全然電車はあるし家に帰ろうとひと言凜に連絡をいれて
集合写真を撮影している様子を横目に会場を後にする。




ワインの飲みすぎで化粧室に寄ったのが悪かったのかもしれない。






「おねーさん、僕と一緒に帰りません?」

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作者名: | 作成日時:2023年6月30日 15時

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