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episode 40 ページ43

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"ちゃんと"

たったそれだけの言葉で全てを伝えてしまう木兎先輩はやっぱり不思議な人だ。





「部活での赤葦がどんなかわかった?」


「…はい、十分わかりましたよ」


「はは!そっか!」


「…木兎先輩ってほんとすごい人ですね」


「今更気づいたのか!
俺は最初からすごい人だぞ!」




静かなこの空間で特徴でもある大きい笑い声を響かせる。
その自由さが人を救ってるなんて当の本人は
思いもしないのだろう。






「ま、まだ赤葦の気遣い上手は健全だって木葉とかは言うけどな」


「…例えばどんなところが?」


「んー、俺はイマイチわかんねぇーけど
周りの奴らは赤葦の気遣いのおかげで俺を扱えてるって言うんだよ。

俺には赤葦は考えすぎにしか見えん!」





Aもそう思わねぇ?と聞かれ
ここ最近の赤葦くんを考えると同意できて首を縦にふる。





「だよなぁ!

考えすぎず偶には赤葦も休憩したらいいのにな。
だから俺は今回Aに託したんだぞ!」



「……は?」



「俺じゃ今の"考えすぎ赤葦"はどうにもならなそうだから
Aに頼んだんだけど」



「…ま、まさか"がんばれよ"って、」



「おう、そういう意味だ。
そのまんまだろ?」







"考えすぎ赤葦"をどうにかせろ=がんばれよ!


これがどうやったらイコールになるというのだ。
もはや凄いとしか言い様のない思考回路に思わず頭を抱える。









「………木兎先輩、言葉足らずが過ぎます」


「それ、Aにも当てはまることじゃね?」


「…、」


「A、まだ頑張れてないだろ。

昨日リハーサルに来た赤葦、複雑そうな顔してたぞ。




……今の赤葦って去年の文化祭のときの誰かさんに似てるなぁって思って
その人に託したんだけど、俺間違ってた?」









誰かさん、とは言うけれど間違いなくそれは私のことを言っていて。



去年の、文化祭。
私はクラスの出し物の責任者だった。


なんで、木兎先輩がその頃の私を知っているのだろう。

たしかに私はその頃人に気遣って断れなかった仕事が
積もりに積もって忙しかった。





_____『………あぁ!お、おまえ!!』









「……だからあの時廊下で、」


「あ、そういえば俺のジャージ拾ってくれたとき
Aのこと思い出せなくてごめんな!

赤葦が部活中にもかかわらず走り回るAのこと見てたから
忘れるはずねぇって思ってたんだけどな!」








…………赤葦くんはいつから『私』を知っていたの?

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(プロフ) - カルマさん» ありがとうございます!コメント嬉しいです!頑張りますっ......! (2020年6月19日 23時) (レス) id: 48fe9f4fbb (このIDを非表示/違反報告)
カルマ - この作品大好きです!完結まで頑張ってください! (2020年6月19日 20時) (レス) id: 7ca463c807 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月2日 0時

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