無防備な姿 ページ10
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電車に乗って何度も歩き慣れた道を歩いてるといつも通り過ぎるスーパーでプリン等を買って…
４階までエレベーターで上がって４２７号室の前に立ち一回深呼吸してインターホンを鳴らすとしばらくして少しドアが開いて覗くと
メガネにパーカーのフードをかぶってマスクしたAが居た
「風邪引いてるんです」
「うん」
「…なんで潤に聞いたんですか」
「チクられた？」
「なんで来ちゃったんですか」
「心配だから」
学校休むなら連絡くれよって思ったのは本音だけど、顔を見ると安心する
「中さ、」
「だめですよ。菌飛んでるし」
「おれ大丈夫だよ」
「だめです」
「俺もマスクするから」
安心するけど、体調心配だけど、
「手洗いうがいだってするし、な？」
いつも見れない姿をまだ見ていたい。
「松本がさ、教えてくれて買ってきたの。食べよ？」
渋々、嫌々、ゆっくりドアを開けてくれて中に入って靴を脱げば部屋に案内してくれた
思っていたよりも物がなくて壁には智くんが描いた絵がずらーっと並んでて、スプーンとコップを持ってきたAにそんな見ないでと怒られた
床に座れば一緒にプリンを食べて少し話をして…
離れて座っていたのを無理矢理近くに座らせれば手を繋いで離れないようにした
「それさ、すっぴん？」
「…ですけど」
無防備な姿ってなんでこんなにイイんだろうか
「…見んな」
「いいじゃん」
「よくないです」
「松本は見てるじゃん」
困った顔してるけど、俺は続けて言う
「俺だって見てよくね？」
「…よくない」
「なんでだよ」
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作者名：suzu | 作成日時：2019年8月1日 19時
