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最後の約束 ページ29
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「翔ちゃん見送り行かないの？」
「来るなって言われてるし。約束したから」
「俺らも来るなって言われたけどさー行きたいじゃん」
「あいつ嫌がるよ」
「ほんと可愛くないよなーギリギリに言ってきてさー」
「そういう奴だったろ」
「そういう奴を好きになったんだもんね」
「そうだよ」
彼女が居ない生徒会室で彼女の話をする。
今日は一日、空を見上げる
彼女もこの空を見上げていて、もしくは彼女がこの空を飛んでいるかもしれない。
そう思うと今日の空は特別に感じる。
「あぁーー！はやく卒業してぇー！！」
俺の叫びに雅紀は笑った
高校生活を作り上げたキャラクターを演じ切って早く終えてしまいたい。
楽しかった夏、秋、冬。
一緒に春を迎えることは出来なかったけど、俺は少しワクワクしている。
何者にもならない、等身大の自分で生活しようと決めているから
彼女が愛してくれた俺で…
また君に出会えるかな
．
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作者名：suzu | 作成日時：2019年8月1日 19時
