この先だって ページ21
《Aside》
私の親からの熱望で先輩は今夜お泊り。
大事な年越しなのに我が家で過ごす事になるなんて可哀想だなって思ったけど、先輩はそんな心配とは逆にすごく喜んでくれた。
いつも１人で過ごしていたから、嬉しいらしい
お母さんが買ってきたグレーのセットアップに着替える先輩。
なぜかその白を私にくれた
着ないけど…
先輩家に泊まる時に持って行こうと思う。
そうしたら重なって着なくていいし！
その事を言ってみたら先輩はオソロでも全然いいって言い出した。意外。
ベッドに座る先輩の後ろ姿を見ているとなんか抱きつきたくなって、ゆっくり近寄って腕を回してみた
肩越しから先輩の携帯を覗くと相葉先輩とのライントークが見える。
初詣みんなで行こうぜー！
ってテンション高めなのが文字からも伝わる。
ラインが閉じられると待ち受けが見える。
みんなで撮ったプリクラ待受にしてるんだ…
可愛いとこあるんだなーって思ってたら
「…ねぇ、俺にさせて」
って、この体制が恥ずかしいとか言ってきて可愛いんですけど
手のひらを開いて見せて、繋いでって言ってみたら指を絡めて繋いでくれたんだけど、見たら耳が真っ赤で、まだ恥ずかしいらしい
「せんぱい？」
「ん？」
「…今年さいごのちゅーしましょうか」
「……うん」
「んふふふ」
「なんだよ…」
「だって、ずっと耳赤いんだもん(笑)」
「うるせーなー、慣れてねーんだって」
「たまに抱きつかれてるじゃないですかー」
「あれは、事故だよ事故。どうも思わねーし」
「今は何か思ってるんですか？」
「…うるさい」
「ははは(笑)」
「笑いすぎだっつの」
おでこを軽く叩いてくる先輩は笑っていた
振り向いた顔に近寄って軽くキスして離れると腕を掴まれて、もう一度重なる。
前回の事があって少しは距離が近づいたと思う。
先輩といるとすごく愛おしくなってしまうのは、母性本能を擽られる何かを大量に先輩は持っているんだと実感している。
来年もその先もこうやって一緒に年を越す事が出来ればいいのに
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：suzu | 作成日時：2019年8月1日 19時
