俺の想い。君の葛藤。 ページ19
藍沢サイド
Aが○殺未遂をしてから一週間。
彼女はまた、痩せてしまった。過度なストレスから食事を取れなくなった。
本当は泣きたいのに、君は俺の前では絶対に泣かない。俺の前で泣いてくれたことなんて、病が発覚したあの時しかないかもしれない。
俺に頼ってくれないことが何より俺にとって辛かった。
今日も病室に行けば、
「耕作!今日も来てくれたのね。ありがとう。…ねぇ、耕作お願いだから家帰ってよね?偶には。私なんかの為に無理して欲しくないの。」
ほら、本当は今すぐにでも泣きたいはずなのに、
…お前は俺に弱々しい笑顔を向ける。
なんで泣かないんだよッ!なんで泣いてくれないんだよッ!なんで俺をッ!
頼ってくれないんだよッッ!
本当はそう、君に言いたかった。
けどそれらが、声となって言霊となって口が、出ることはなかった。
今そんなことを言えば、君は壊れてしまいそうで、怖かったんだ。
だから俺は君に言う。
藍「二人の家、だろ?一人で帰ったって寂しいもんさ。お前がいなきゃ俺は何も出来ない。お前がいなきゃ俺は…ダメなんだよ…。」
と、俺は柄にもなく弱い言葉を吐いた。
二人の家と決めた所に俺だけが帰ったって意味ないんだ。
お前がいなきゃあの家は暖まらない。温もりがない。
一人じゃただ、孤独と恐怖に包まれるだけなんだよ、A。
そして俺は決心して彼女を見る。
藍「A。もうこれ以上、俺はお前が苦しんでる姿を見たくない。残酷なことを言うと、今の治療で改善の効果は見られてない。
なぁ、俺と一緒に帰ろう。
本当は泣きたいだろ?もう…無理はしないでくれ。」
俺がそう言うと、一つ二つと彼女の目からこぼれ落ちる涙。
やっと、泣いてくれた。
「耕…作ッ!私もう…治療受けたくないっ!でも…でも死ぬのが…治療を止めたら死んでしまうかもしれない。耕作と当たり前の日々を過ごせないかもしれない。
それが何より辛いッッッ!!
ねぇ!私はどうすればいいの?!
死にたくないッ!耕作とまだ生きていたいッ!
もっともっと…誰よりも幸せを噛みしめたいッ!」
溢れ出る涙と数々の言葉達。
これがなかなか言い出せなかった彼女の本当の本音。
偽りのない、素の君だった。
彼女が長くない事は俺も君も分かってる。ならば、ここでじっとしてるより、残された時間を、俺は全力で楽しんで、笑って、少しでも君の願いを叶えたいんだ。心からそう俺は誓った。
まずは○○○ー○かも…な。
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藍沢先生が好きな人 - 山P大好きで学校で山P山Pって先生に苦笑いされました。(笑 (2020年9月26日 10時) (レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
藍沢先生が好きな人 - 私生意気な14歳 (2020年9月26日 10時) (レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 藍沢先生が好きな人さん» 返信遅くなりすみません!嬉しいお言葉、私には持ったいないくらいです。ありがとうございます!!! (2020年9月26日 6時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢先生が好きな人 - 頑張ってください。これから楽しみにしてます。 (2020年9月24日 23時) (レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 赤兎さん» 赤兎さん、早速コメントありがとうございます!そうですよね…!バッドエンドだからこそ、本当はもっとこうだったのにー!とか思い浮かびます。ご意見ありがとうございます! (2020年9月23日 11時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍琉 | 作者ホームページ:http://.uranai.riane.jarrck
作成日時:2020年9月16日 22時