🇬🇧ワインレッドの愛銃🇬🇧 (ページ1)

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真っ暗闇のロンドンのとある図書館。

黒い影がチラホラと床に映る。

光は、月明かりだけ。

今宵も、泥棒が入り込んだようだ_________

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「頂くわよ〜」

男3人を背に、走る女が一人。

ブーツで軽やかに床を蹴るその姿はまるで猫のような。

女は大きな天窓に向けて銃を向ける。

月明かりに照らされた黒光りする銃は埃チリ一つない綺麗に輝いていた。

「ふ〜じこちゃ〜ん！待ってェ〜」

と、暗がりから聞こえるひょうきんな声。

「バァ〜イ、ルパン♡」

女_____不二子は、その一言を最後にバンバンバン、と3発の弾を窓に撃ち込み、

ワイヤーを投げ、ヒビの入った天窓を破り姿を消した。

「追っかけろ〜ぉ」

と、ルパンは逆方向に走り出す。

チッ、と言いつつもルパンの後を追う二つの影。

早撃ちガンマン、次元大介。

斬鉄剣の使い手、五ェ門。

ルパンらが外に出て車に乗り込めばバイクにすでに跨っている不二子。

ルパンの後ろに立った次元が銃を構える。

しかし、今宵の不二子は余裕の笑みだった。

「撃つなら撃ってい〜わよ〜？」

と、にこりと笑う。

「女には、出来れば銃は向けたくないんだがな…」

と、次元が返す。

途端、暗闇に一筋の弾丸が落ちた。

タ_______………ン……ｯ

「？！」

驚き目を見張る次元。

恐る恐る足元に目を落とせば、

弾丸が一つ、転がっていた。

ハッと、再び不二子を見やる次元。

ルパンは神妙な面持ちで次の一手を待っていた。

ブルルゥン…ド、ド、ド、ド…

バイクのエンジンを再度吹かすと不二子は不敵な笑みを浮かべ、

「早撃ちガンマンにだって負けないわ。」

と、ウィンクしてみせる。

ルパンたちは走り去る不二子をただ見ていることしかできなかった。

ーーーーーー

「初対面なのにあんなに挑発しちゃダメよ〜？」

不二子がバイクを走らせながら言う。

トン、という小さな音とともに後ろに小さな影。

月明かりに照らされた髪の色は赤。幼顔の女性はニヤ、と笑いながら担いでいたワインカラーのライフルをそっと撫でた。