幽鬼の支配者 (4) ページ14
ルーシィside
「なーんか大変なことになっちゃったなー」
そんなことを一緒に歩いているプルーに呟く。ファントムが妖精の尻尾と仲が悪いのは知ってたけど、ここまでとは知らなかったな〜。
「あたし、ほんとはどっち入ろうか迷ったんだー」
「プーン？」
「だってこっちと同じくらいぶっ飛んでるらしいし！」
玄関に繋がる階段を上り、自宅のドアノブに手をかける。
「でも、今はこっち入ってよかったって思ってる。だって妖精の尻尾は……」
ガチャ。
扉を開けて部屋の中へ一歩踏み入れると。
「サイコーーーーー！！！？？｣
「おかえり」
「おかー！」
「いい部屋だな」
「よぉ」
あまりの驚きに近所迷惑も顧みず大声で叫んでしまう。何故なら、ドアを開けた先にはまるで自宅であるかのように自由にくつろぐナツ、エルザ、グレイ、ハッピーの3人と1匹がいるから！！
「多いっての!!」と怒りに任せて投げたキャリーケースは、未だに不貞腐れていたナツに直撃した。あ、ごめん！
どうしているのか聞くと、ファントムの件でギルドメンバーの住所を調べられているかもしれず、１人では危ないということでここへ来てくれたらしく、それには少し嬉しくなった。
「おまえも年頃の娘だしな。ナツとグレイだけここに泊まらせるのは私としても気が引ける。だから同席する事にしたという訳だ」
「ナツとグレイは泊まるの確定なんだ？」
てか、Aは？と聞くと、グレイが「忘れもんとかで1回家に帰ったぜ」と少し不服そうに呟く。
「なんで不機嫌なのよ」
「グレイはついて行こうとしたんだけど、Aに来ないでって強く言われてしょげてるんだよ！」
「しょげてねぇよ！！！」
ハッピーの言葉に顔を真っ赤にしながら怒鳴るグレイ。よっぽどAのことが好きなのね〜
「てことは、ナツとグレイって恋敵でもあるんだ！」
「あい！」
「「あ゛ぁ？！！」」
睨み合うナツとグレイに呆れつつも、窓から外を見る。
「無事だといいんだけど…。」
「Aは強い、きっと大丈夫だ」
不安な私を見てか、笑顔でそう言うエルザにそうね！と言ってお風呂に入る準備をする。
後悔することになるなんて知らずに
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作者名：セイ | 作成日時：2019年4月16日 22時
