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◇第三百三十七章◇ ページ45

銀時side


貴方「好きだ」


真っ直ぐ、目を見て放ったその一言は、俺にとって信じ難い物だった。


Aが、俺を好き?
何を言っているんだ。
また、何かの罠か。


違う、そんな事は無い。
ふざけている様には見えないからだ。


なら、何故?
お前なら、もっと良い男とだって付き合えんだろ。
何故、よりにもよって俺なんかを?


いや、それよりももっと重要視する事が有るだろう。
俺は、コイツが好きなのか。
今、ハッキリ分かった気がする。


今までずっと、現実から目を背けて来ていたのだと気付く。


何より、途轍も無く嬉しかった。
でも、だからこそ断らなければならないと、判断した。


怖かったんだ。
もし、何か遭ってコイツを護れなかったら、俺はどうして良いのか分からなくなりそうだったから。


そうなってしまっては、もう立ち上がれなくなりそうだったから。


自分勝手な判断で、Aを傷付けてしまう事くらい、分かっていたのにな。


銀時「ごめん」


有るわけも無い言い訳をしながら、必死に気持ちを隠した。


好きじゃない?
そんな事ある訳が無い。


仲間としてでは無く、幼馴染みとしてでもなく、一人の女として俺は、お前の事が好きだった。


いや、今も昔もAだけを愛して来ていたのだ。


好きだと、そう言えたらどれだけ良かった事か。


お前を傷付けたくないから、なんて、ただの言い訳。


本当は俺が傷付きたく無いから。


俺と一緒にいては、お前が傷付いてしまう。


違うだろ。


本当は傷付いたお前を見たくない。


勝手過ぎんだろ。


いつもいつも、自分の事しか考えていない。


でも、これで良かったのではないかと心の中で思った。


何が良かったんだ。
必死に自分自身が傷付かないようにしているだけだ。


ずっと言い訳ばかり。


こんな俺よりも、もっと良い奴と付き合って、結婚して、ガキ産んで…幸せになって欲しい。
切に願った。
これだけは、本当の事だ。




涙を流し始めたAを抱き寄せる。





嘘吐いて悪かった。









俺も好きだよ──

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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幽子 - 私は腐女子なんで、すごく共感します。この小説好きです! (2016年2月14日 16時) (レス) id: c123744630 (このIDを非表示/違反報告)
ちーず(プロフ) - きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!銀さんっ!!!!!せつないですね・・・・更新頑張ってください! (2015年10月27日 16時) (レス) id: 64cd32f392 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 続きがきになって眠れません。更新頑張って下さい (2015年10月27日 13時) (レス) id: a317f5304b (このIDを非表示/違反報告)
銀時大好き - とってもおもしろいですね!続きをとても楽しみです。これからもがんばってください応援しています! (2015年10月19日 9時) (レス) id: fb076ef916 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅 - とても面白いです!ところで第百五十章がありません。細かい所気にしてしまい申し訳ありません!更新頑張ってください。 (2015年10月16日 23時) (レス) id: 0e13b830a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:LAZU(らず) | 作成日時:2015年10月10日 18時

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