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◇第五十七章◇ ページ10

私と会う前は銀時に何があったか知らない。分からない。それなのに、軽々昔の話を振ってしまった事に、だ。


それに、銀時の方が殺すことに抵抗がある、だなんて言ってしまえば、怒られるのではないかと心配になった。
私だって別に好き好んで人を殺めているわけではないのだ。


ただ、銀時は昔に色々あったようで、一度も話してくれたことはないが、真剣を握ること自体あまり好きではないようで、戦争が始まる前は刀を見つめながら辛そうな顔をしていた。


そんな銀時に、こんな話題を振ってしまったわけだから、あっえっと…と話を変えようと必死に話題を探したが、銀時は平然と私が言ったことに答える。


銀時「ま、確かにそうかもしれねぇな」


貴方「えっ」


予想外の反応にどう対応して良いか迷ってしまった。


銀時「仲間を守るためだ何だ言ってっけど、本当のこと言えば、それはその代わりに敵の命を奪うことになる。俺は怖いんだろうな、血を見ることが…俺に怯える姿を見ることが」


顔は笑っているが、何処か悲しそうだった。
白夜叉白夜叉と仲間にまで恐れられる戦闘力を持っているやつだ。


だが、多分銀時は普通に生きて普通の日常を送りたかったのだろう。


銀時ほどの力を持ってない私には到底分からないことなんだろうな、と内心少し辛くなった。


銀時「それと、よく死なねぇで帰って来てくれたな」


銀時はニカッと笑って私へと目線を移した。
咄嗟のことだったためかよく分からないが、心臓が淒い跳ね上がった気がする。


貴方「う、うん…あの時は本当にどうなるかと思ったけど…でも、運良く生き残れたから良かったよ」


私も同じく笑って見せる。


未だに取っ組み合いをしている四人を見つめながら私たちはたわいもない話をした。


私と銀時にはある約束が有ったのだ。


それは普通なら簡単に叶うであろう約束だった。


しかし、私にとってそれは試練だったのかもしれない、と解釈する。


貴方「ねぇ銀時…」


銀時「何?」


その約束は、十年も経ってしまったがまたあの時みたいに離れ離れになる前に叶えておきたいと、私はその約束を果たすために再び昔の話へ戻した。

◇第五十八章◇→←◇第五十六章◇



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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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- 今読んでもすごい面白いです! (2018年8月26日 18時) (レス) id: 60ade2f7bb (このIDを非表示/違反報告)
つちのこ。(プロフ) - 1話から再読です!やっぱギャグがいいっすね・・・ww (2016年6月20日 23時) (レス) id: 64cd32f392 (このIDを非表示/違反報告)
晋助 - とてもおもしろかったです!俺名前が晋助で銀魂のキャラとかぶっててだいすきです!応援してます!!頑張ってください!! (2015年11月3日 13時) (レス) id: 889a1454a1 (このIDを非表示/違反報告)
ちーず(プロフ) - もうギャグ半端ないですwwめっちゃ笑っちゃいました・・・wwおもしろいです!がんばってください! (2015年7月27日 17時) (レス) id: 64cd32f392 (このIDを非表示/違反報告)
- すごくおもしろいです!更新頑張ってください! (2015年7月8日 14時) (レス) id: 012e254ff4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:LAZU(らず) | 作成日時:2015年6月22日 20時

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