◇第百九十九章◇ ページ6
銀時「おい、このウイルスの感染範囲はどれくらいになる」
天人「え?そうだな……、正確な範囲は分かんねぇが、歌舞伎町までが限界だと思うぜ」
サラッと言いのけた言葉に驚いた様子の銀時は、一瞬目を見開き拳を握った。
銀時「そうか、引き止めて悪かったな」
動揺を隠そうと懸命に平然を保ち、連れて行かれる天人さんの後ろ姿を見ていた。
閉められたドアを確認し、再度声を掛ける。
貴方「歌舞伎町まで……万が一って事も考えられるってわけだね」
銀時「神楽と新八……いや、歌舞伎町に住んでる奴ら全員が被害者に成りうるかもしれねぇってわけだ」
必死に心を落ち着かせようと声の震えを最小限にして話す銀時の力を込め握られた拳に手を当てる。
銀時「A……?」
貴方「大丈夫だよ、あの人たちがそう簡単にウイルスにやられるはずが無い。寧ろウイルスの方が逃げてくから安心して」
銀時「それ、俺の事落ち着かせようとして言ってんの?」
真剣に言った言葉だったのに、何故か拍子抜けされてしまった。え、私何か変な事言った?言ってないよね??あれ、言ったのかな??
銀時「ったく、やっぱお前馬鹿だわ」
貴方「バッ……!!馬鹿とは何だ馬鹿とは!!」
突然に馬鹿にされ言い返したのに、張本人様の顔には笑顔が浮かんでいた。
銀時「そう怒んなって。褒めてんだよ」
貴方「絶対褒めてないよね。貶してるよね、絶対」
馬鹿って言ってたじゃん。馬に鹿だよ?何処が褒められてるんですかね、これの。
でも、少しは気を楽にする事が出来たのかな。さっきより落ち着いた表情でドアノブに手をかけ、開けようとした時。
銀時「ま、お前のそういうところ俺は好きだけどな」
理解のし難い言葉を吐き、ガチャリとドアノブを回す。
え?今何て??
スキ?すき焼きの事ですか??
ワタシソンナコトバシラナイヨ。
貴方「スキ?スキって何だっけ」
銀時「辞書引いてこい」
貴方「スキって好きのこと?告白??いきなり告白??私も好きだよ??もう一回言って欲しい」
銀時「さぁ、何の事ですかね」
貴方「あっ、また知らん振り」
銀時「またって何だ、またって」
いきなりの事で聞き流してしまった。もう一回言ってくれたら脳に焼き付けるのに……酷いよ、こんなのアリですか?あ、でももう一度言われたら死ねる気がするからやっぱお預けにして欲しい。
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鬼灯(プロフ) - 初めまして…!!続き楽しみにしてました、既に好きです!!!!シリーズ最初にリンクの貼ってあったヒカリ証明論も聴かせて頂きました…滅茶苦茶に歌い方も好みでした((((これからも応援してます!! (2021年9月5日 18時) (レス) id: 9ea7ca46b0 (このIDを非表示/違反報告)
またまた - 初めまして!最高でございます、はい、、大好きです!!!!!これからも応援しておりまする!! (2021年8月4日 1時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - おかえりなさい!続き凄く楽しみにしてました。 (2021年6月19日 6時) (レス) id: 03c126c95f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LAZU(らず) | 作成日時:2020年6月27日 8時