◇第二百十四章◇ ページ21
銀時「……少なくとも、俺よりはずっと普通だよ」
独り言のように呟かれたその言葉は、不運にも私に聞こえてしまった。
今一瞬だけ見せた悲しげな表情は私の見間違えだったのだろうか。銀時がどんな過去を背負って生きているのか、私は知らない。
少し、一欠片だけで良いから話して欲しいと思ってる。聞きたいと思ってる。それでも、不思議と何があったのか聞く勇気が湧いてこない。普通に聞けば良いだけなのに、何故か聞いては行けないような気がして。
私はその独り言に、聞こえなかったふりをした。
貴方「あ、あれ月詠さんじゃない?」
見知った顔を見付け、いつもと同じトーンで誤魔化すように視線を促す。
銀時「本当だ。アイツが死ぬわけねぇよなぁ。日輪の心配性もどうにかならんもんかね」
貴方「それだけ月詠さんの事想ってるって証拠だよ。銀時も少しは見習ってみたら?」
銀時「失礼な。俺だって新八と神楽の事大切に想ってらァ」
貴方「あれ、私は?」
相変わらず私には手厳しいのね。全く、照れ屋さんなんだから。可愛いなもう、好き。
などと思いながら私の嫁──基、旦那の横顔を盗み見していると、随分と近い所から色々な人の悲鳴が聞こえてきた。
貴方「何々、祭りか何か!?Gでも出たのかってくらいの悲鳴なんですけど」
銀時「冗談言ってる場合か、Gの方が余程悲鳴上がるわ」
貴方「言い返すところそこ?」
急ぎ足で声のした方へ行くと、何とまぁ逃げ惑う人々で溢れ返っていた。
銀時「何の騒ぎだ、こりゃあ……。嫌な予感しかしないんですけど」
貴方「分かりみが深み」
銀時「何言ってんのお前」
何となく流行ってそうだったから言ってみただけなのよね。それより、この騒動を起こしている張本人は絶対あの子しかいないと私は思う。
銀時「おい、あそこにいるのって……」
誰かを見付けたらしく、困り顔で指を差す。銀時の視線の先を辿ってみると、案の定探していた人物がそこにいた。
男「た、助けて下さいィィ!!」
沖田「おいおい、逃げる事はねぇだろィ。俺ァまだ物足りないんでィ」
あぁ……、やっぱり沖田くんか……。感染者だと思い込んでるのかな……。それともわざと?どちらにしても早くあの男の人を助けてあげないと
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鬼灯(プロフ) - 初めまして…!!続き楽しみにしてました、既に好きです!!!!シリーズ最初にリンクの貼ってあったヒカリ証明論も聴かせて頂きました…滅茶苦茶に歌い方も好みでした((((これからも応援してます!! (2021年9月5日 18時) (レス) id: 9ea7ca46b0 (このIDを非表示/違反報告)
またまた - 初めまして!最高でございます、はい、、大好きです!!!!!これからも応援しておりまする!! (2021年8月4日 1時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - おかえりなさい!続き凄く楽しみにしてました。 (2021年6月19日 6時) (レス) id: 03c126c95f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LAZU(らず) | 作成日時:2020年6月27日 8時