回線切れの乙女ネットワーク ページ3
「じゃ、お前は一体何なの？」
わたしは軽い自己紹介をして今、正にこの瞬間に起きた出来事について事細かに説明するとキヨくんは意外にも「ふーん、そうなんだ」とわたしの主張を受け入れてくれた。
その後にキヨくんは自分のことを知ってるか？と言うひとつの質問をしてきた。
その質問にイエスと答えた瞬間に電話を掛けてきた時点では相手側を声で殺しそうな野蛮な声色だったのにまるで恋人に向けるような甘い声へとシフトさせてきた。
「怖かったな、大丈夫？」
「あっ……いえ、は、はい」
そんなキヨくんの声は聞いたことがなくてただでさえ身内以外の男の人と電話をするなんて言う甘酸っぱいアオハルな時代は学生時代を最後に終わっている。
つまり免疫力が無に等しい程にないのである。
ここから導き出される答えはひとつだけ。
「もう大丈夫だから」
普通にときめきトゥナイトってやつである。
何も言えないわたしは天にも昇りそうな乙女な思考を自分でぶった斬ろうとした。
だが、その前に全ての思考の動作を止める一言をキヨくんは放つのだった。
「今からレトさんとスマホ取りに行くから住所教えて」
そんな経緯があって今、現在、午前1時を迎えた。
わたしは玄関前の冷たいフローリングの上に正座をしてこのまま電源がなくなっても不思議ではないくらい震え続けているスマホを隣に置き目を瞑っていた。
このまま、これを渡して関係を断ち切る。
うん、それ以外ない。
冷静に考えてGPS監視をされているのであれば家の前にいるかもしれないしこの部屋がバレたら最悪殺されるかもしれない。
そこまではないにしても常に最悪の結果を考えながら行動しなければ常識が通じない人種というのが少なからずこの世には存在するのだ。
免疫力がないせいで急に人を恋に落とすほどの甘い声をしてきた人に一瞬はときめいたけれど、そもそもそんな有名人とお付き合い出来るとか絶対ないし繋がりたいからと言って命を投げ打つことなど到底不可能！
わたしは趣味程度で動画を拝見させて頂いて日々の疲れを癒して欲しいだけなのだ。
突如隣に鎮座するスマホが鳴り始めたが視線をそちらに向けた途端に静かになった。
ピンポーン
新卒ながら女の子の都会暮らしは危ないからと言って社宅はオートロックのマンションを与えられていた。
慌ててインターホンに駆け寄ると見たことある顔がふたつ並んでいた。
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なみの - えっ！？返信ありがとうございます・・過去作なので返して頂けるとは思ってませんでした。 (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - なみのさん» コメントありがとうございます。ヤンデレと言うより情緒不安定なだけのメンヘラになっちゃったような気もするのですが…エモ感じて頂けて何よりです！ (11月2日 8時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - ヤンデレキヨさん最高でした。エモ過ぎて泣いちゃった・・・ (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 末永くお幸せにいいいいいいい((殴 (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» コメント通知が死んでいて気付かずレスがかなり遅くなり申し訳ありません。感想コメントとても嬉しかったです。後半ネタばらしは最初から決めていたのですが私も書いてて楽しかったです。私がメンヘラヨさんを書くにあたって気にした点を全て気付いてくださり嬉しいです (2022年10月2日 22時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年10月14日 7時
