深夜の来訪者 ページ31
気遣わせてしまった。
どうしていつもいつもうまく言葉に出来ないんだろ。
わたしには一体何が出来るんだろう。
出来ることがないわたしに好かれてもレトルトさんだって迷惑かもしれない。
そもそも家に未だにいることさえ迷惑に思われてない保証なんてどこにもない。
それなのに勝手に家を出て、心配させたいわけじゃない。
そもそも心配なんてしてくれるのだろうか。
彼女とキヨくんが介抱してくれたおかげで、体調はだいぶ良くなり、今まで考えられなかった自分のした行動についての振り返りと言う名の押し問答が脳内で繰り広げられた。
時間も時間だし寝よう。
うん、そうしよう。
明日は運良く祝日で会社もないし落ち着いてからチェックアウトしよう。
そう考えて、ゆっくりと瞼を閉じた。
コンコンとドアをノックされる音で目が覚めた。
枕元の備え付けデジタル時計は夜中の2時を指し示していた。
眠る前に時間は見ていないけれど、ここに運び込まれたのは確か夕方と言うか19時から20時くらいだった気がする。
少し話はしたけど、そこまで長い時間話した記憶もないし21時前には寝ていた。
そう言えばよく見る悪夢には苛まれなかった。
こんなに長い時間継続して眠れたのは彼が亡くなってから初めてのことだった。
それよりもこんな夜中にノックされる覚えはない。
ホテルの従業員の彼女、またはキヨくんだったら応対しようと思うけれどレトルトさんだったらどうしよう。
わたしは恐る恐るドアの近くに移動すると外から声が聞こえてきた。
「こんなに夜中にノックなんて俺ならチビるわ」
「ちょっとあまり大きな声、出さないでください」
安心してドアを開けると目前にいた2人「うわあ！」と大きな声を出して驚いていた。
「大きな声出さないでくださいってば！」
「俺だけ？俺が悪いの？」
2人のやり取りに「ふふっ」と笑っていたらキヨくんは真剣な表情になり「やべぇことになったから入っていい？」と聞いてきた。
頷くしかないわたしはコクコクと頷いて2人を迎え入れた。
「レトさんがきみのことが心配だから帰るって言い出した」
スマホを見ていないことを思い出してスマホを急いで手に取ると夥しい数の着信履歴とLINEの件数が表示されていた。
「本当は朝帰りくらいにさせて、早朝だから迷惑だし一旦は自分家帰っとけーって言うつもりだったんだけど」
「レトルトさんに会える精神状態かなって思って……」
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luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» ずっと温めてきた作品だけに思い入れが強いので真っ直ぐに作品を読んで褒めて頂けて感無量です…！彼だからこの結末になって彼だからこその作品になった気がします。とp4の関係性が大好きなので気を遣って書いたので気に入って貰えて良かったです！ (2021年8月18日 0時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - 普段常識人だからこそこういう禁断の恋一歩手前のレトさんが凄く輝いている気がしました。lucoさんの人選が流石過ぎます。今回の世界線はそれぞれの立場が切な過ぎて胸痛いです。その分報われて感動でした! それに今回は特にtop4の関係性が見えて最高でした! (2021年8月9日 3時) (レス) id: d5158b45c8 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - ゆりさん» ゆり様コメントありがとうございます！感情直球とっても嬉しいです！！読んで頂けて本当に感謝です（；_；） (2019年10月11日 11時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - すごくすごく好きです。お疲れ様です！ありがとうございます！！ (2019年10月11日 10時) (レス) id: 284b51d183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年3月8日 1時
