オートロックの心 ページ24
ガチャ、と音がした。
他の3人が何やら挨拶をしてるのが遠くから聞こえる。
マスターキーなんてない、と言っていたのに、少し開きかけた心の扉は意図も容易く固く閉ざされた。
そんな気分になった。
わかってる、Aにそんな気がないことくらい。
けど「よくお話するお客様」くらい言って欲しかった。
わかってる、そんなこと絶対言わない。
他の奴に勘違いさせたらとかなんとか、実況者の俺に気遣って、思っていたとしても言わない。
こんなに近いのに、こんなにも遠い。
「わたしあやちゃんから連絡来たので行きますね」
俺にだけ聞こえるくらいの声で言ったAは「ありがとうございました」とお辞儀をした後に他の奴らにも軽く会釈をしてから店を出て行った。
「めっちゃ可愛いじゃんかよ」
「礼儀正しい子は印象良いよね」
うっしーとガッチさんが口々に褒めるのがムカついて「仕事だろ」と吐き捨てた。
まあ、いいや。
ナーバスに考え過ぎた。
マスターキーがないなら、Aに持ってきて貰うしかない。
ないなんて言ったって、あることくらい俺は知ってる。
飯に初めて誘った時の切ない瞳、あの意味がきっとマスターキーだ。
「お客様」と「店員」なんて立場で出会ってなかったらなんてもんはもう死ぬほど考えたけど、この立場じゃなければ出会えなかったなら、これが最速の出会いだろ。
「まーまー、飲み行こ」
うっしーに肩を組まれて我に返る。
酒は飲まねえけどこいつらとくだんねえ話でもすれば気が晴れるか。
タイミングは悪いけど、少し救われる。
俺達は前にAが言ってた個室の居酒屋に行くことになった。
確かあやちゃんの好きな店長がいるのもここだったはず。
「日曜はあまり混まないですよ」
なんてAが言ってた通り、すんなり入れた。
タイミングが悪いことに察したのか席に座ってからはAのことを口にする奴は1人もいなかった。
もともとあっちこっち話題が広がる集まりだからいつも通りどうでもいいくだんねぇ話ばかりしていた。
「なあ、キヨくん」
いい感じに酒がまわってはしゃぎ倒すガッチさんとうっしーを見て笑ってたら隣に座ってたレトさんに声をかけられた。
「何かレトさん、きょうおかしくない？」
「そう？それより、さっきの子の写真とかない？」
「……は？何で？」
「い、いや可愛ええやろ？」
この感じ、絶対何か隠してんな。
俺とレトさん何年一緒にいると思ってんだよ。
レトさんが俺に嘘なんて吐けるはずねえだろ、バカ。
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なみの - とっても面白いですね( ´∀｀)相変わらずの天才っぷり・・さすがです！毎回素敵なお話ありがとうございます(≧∀≦) (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» これは完全に動画内のヨさんのテンションで書いてたので反応どうかなと思っていたので好きと言って頂けて良かったです。たくさんの作品にコメント本当にありがとうございます。レスが遅くなりましたが毎回見て元気を貰ってます！ (2021年8月18日 0時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - キヨさんの嫉妬とか御馳走様過ぎる。キヨさんが元々レトさんに憧れていた節があったからこそキヨさんの嫉妬って映えると思ってニヤニヤしてました。キヨさんがドルヲタとか女優ヲタとして動画内で喋っているテンションで恋して、本人っぽさが倍増するのも好きです。 (2021年8月9日 2時) (レス) id: d5158b45c8 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - siratama〇さん» siratama〇様、コメントありがとうございます！初の学パロ以外での長編ですので読者の方の反応が気になっていたのですが好みと言って下さりとても安心しました。そして長編に対しての励ましのお言葉もありがとうございます！とても嬉しいです。頑張ります！ (2019年3月9日 22時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
siratama〇(プロフ) - 好みof好みです。長編苦手だと仰りますが胸を張って得意だと叫べるレベルで素晴らしいです。素敵なお話ばかりで読むのが楽しみの１つになっています。ずっと応援しております、頑張って下さい！ (2019年3月9日 20時) (レス) id: 1503b2e324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年3月7日 1時
