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「おや
リタイアをご所望で?」
シン、と静まり返った教室。
何処からともなく現れたスクリーンに、私達がいるゲノムタワーの写真が映される。
「その場合失格とみなし、こちらゲノムタワー最下層にあります、『白の部屋』へ強制収監いたします。」
画像をいくつか変えながら、パカさんの説明は続く。
「ほかの皆様が1億ビューを達成するまでずっとひとり、4畳半の密室で延々待機となりますが。
_こちらは過去、貴方がたと同じようにダダをこねたお方です。
実況を放棄した彼は、ずっとこの部屋で仲間のクリアを待っておりました。
すでに彼らが達成に失敗したこともつゆしらず。
来るはずもない迎えをずっと、ずっと、
ずぅーーっと…」
ギュィィィィ…という動画を早送りする音と共に流れていく映像。
画面の端の方で蹲っていた少年は、だんだんと細くなっていく。
最後は無惨な骸骨姿に…。
これは、殺し合いのゲームが得意だと言って笑っていたクラスの男子だって、きっと耐えられるものではない。
カリンさんやヒミコちゃんは、何も見ないようにしているし、私やユズさん、アカツキさんも固まって画面をただただ見つめているだけ。
動画があまりにショックで、気が滅入っていた私の耳に飛び込んできたのは、ダンッ、という何かを床へ叩きつける音だった。
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作者名:紺碧 | 作成日時:2019年3月17日 1時