追憶。【センラ】 (ページ2)

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駅に着くと普段エスカレーターを上るところが、昨日から改装工事だとかで封鎖されているのを目前で思い出してまた溜め息をついた。

…しんどいなぁ

会社会社仕事の毎日。
友人と遊ぶだとかそんな暇があるなら今すぐ寝たい私には会ってくれる人すら居なくなって、当然ながら新しい出会いもない。

…せめて趣味でもあればと思ってオンラインのショップを覗いたことがあるけど、外に出るのが苦手なインドアにはそれすらも難しかった。
音楽だって、それなりの流行がなんとなくテレビに乗って教えてくれるだけ、映画とかアイドルとかにも興味がない。

ホントつまんない人間だな私。
なんでこうなっちゃったかな…
なんて面相してホームに向かうと電車はまだこないらしく、かといってこんな時間だから混んでる訳でもないけど、いつもの場所に立った。

…違和感を感じたのはそのすぐあと。

“混んでる訳でもない”のに、私の後ろにぴったり並ぶ誰かがいた。
ざらにいる、“あーいうヤツ” かと思ってそこまでの厳重注意はしなかった。
何度かこの手に遭遇したことはあるし、気が済んだらそそくさと去って行くんだろう。

あーあ、帰るギリギリまで憂鬱とか最悪。

心の底から早く帰りたいと願った。