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事務所の外階段を上に上がると、屋上に出る。
二階建てのビルの屋上から見る空には夕日が今にも沈みそうで、近いようでとても、遠い。
薄暗さに目を凝らして見ると、柵に肘をついて立っている桐山さんの背中が目に入った。
「…おかえりなさい、お疲れ様です。」
意を決して声をかける。
「おう、ただいま。」
こちらに振り返った桐山さんに、下の自販機で買った缶コーヒーを差し出す。
すぐにプルタブをあけて一口飲むと、コーヒーの香りごと吸い込んで、大きく吐き出した。
「いや〜〜、これまでの実績あって、なんとか勘弁してもらえたわあ。」
やっぱ日々の行いって大事やな！と、つとめて明るく振る舞う。
わたしが、自分のミスを責めていることが分かってそうしてくれているんだ。
どこまでも優しい桐山さんにいたたまれなくなって、バッと膝にくっつくくらい頭を下げる。
「浮かれて調子乗ってて、すいませんでした！」
「浮かれて調子乗ってたん！？」
“うん、それやったらもうヤメてな？笑”とわざと茶化すように言う。
頭を上げて、桐山さんの横に立って柵に手をつくと、湿った空気が頬を撫でていった。
「いやあ…ちょっと色々ありまして。
気合い入れなおします。次やったら頭丸めます。」
「僧侶かて。笑
しかし、ゆりちゃんらしくないミスやでぇ。」
「わたし…もう2度と、桐山さんの顔に泥塗るようなことしません。」
「…ん。さんきゅな。」
こんなわたしにお礼を述べて、頭をポンポンとしてくる桐山さんはお兄ちゃんみたい。
今日改めて思った。
桐山さんと淳太さんがいなかったら、Jワークスの絆はこんなに深くはなかっただろう。
「二人って、お互いのことすごい理解し合ってるんですね。」
「なんやねん！急に。」
照れ隠しをしようとしたのか、缶コーヒーの空き缶を握りつぶそうとした桐山さん。
スチール製のそれは、簡単にはつぶれない。
「…。まあ、そうやなー？淳太くんとは同期やし、付き合い長いしなー。
ぶつかり合ったことも、何度もあったけどな。」
「ほんとに信頼しあってるんだなって。
淳太さんの話聞いて、改めて思いました。」
「＿＿なあ、俺も、ずっと思ってたこと言ってええ？」
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るーちょ(プロフ) - まっちゃさん» コメントありがとうございます！応援いただきとても励みになります(T-T)最終話までぜひお付き合いください。 (2019年7月19日 20時) (
レス) id: 5adc9338ef (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - とても面白いです！ 応援してます！ (2019年7月19日 6時) (レス) id: 622cccb941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lucio | 作成日時：2019年7月8日 18時
