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濱ちゃん、これは恨むで。
「デザイナーの梁です、よろしくお願いします」
そう言って名刺を差し出すその人は、事前に聞かされとったイメージとは真逆の女性だった。
すこし癖のあるボブヘアに、小柄で華奢な体。
えーふつーに可愛い感じのひとやん？
歳は、俺と同じくらいかもしかしたらちょい上かな？
つい「可愛らしい人」
なんて言ってしまって、拍子抜けされたかな。
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「ゆりちゃんごめんなぁ、びっくりしたやろ。こいつ営業畑の出身やから口うまいねやん！」
なんだか面食らった風の梁さんに、濱ちゃんがフォローを入れる。
いや、待って！？口うまいとかここで言われたらマイナスやんか！
「濱ちゃん余計なこというんやめてや！俺がでたらめ言うてるみたいやん！
だって思てたんと全然違うかってんもん！」
「えー？そうなん？」
ほんま気をつけてほしいわ。
側で見ていた営業の桐山さんが笑いながら言う
「ヒヒッww濱ちゃん、ゆりちゃんのこと何て説明してんw」
「どんなデザイナーさんですかぁて聞かれたから、効率化の鬼やって…あぁあとめっちゃタフやとか」
「そんなん言うから、どんなゴリラみたいな人が来るんかと思うやんかぁ〜！」
でも優しそうな人でよかった〜
「ゴリラ…？」
梁さんはなんか釈然としない顔をしていた。
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それから仕事モードに入って、一通りの挨拶やらコンペの話をしてから、打ち合わせに移る。
「えーっと…梁さんに出していただいた製品ビジュアルは、“mean”のターゲット層により響くと評価されたってことで、選ばせていただきました。」
選考中にプロジェクトメンバーから上がった所感をフィードバックする。
「やっぱゆりちゃんさすがやで。」
「濱ちゃんは、これ見た瞬間から梁さんのデザインやって気づいてたよな。」
コンペの参加者のデザインが出揃った時、数あるデザインの中から濱ちゃんが「これJワークスさんっぽいなあ」と言っていたのを思い出した。
「そうなんですか？…なんで分かったんですか？わたしのだって。」
「そら分かるよお。ずっとゆりちゃんのデザイン、俺が見てきてんもん。」
…なんやねん、だいぶ分かった風やんか？
梁さんもそれ聞いて嬉しそうというかちょっと照れてる。
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作者名：Lucio | 作成日時：2019年6月9日 14時
