検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:49,680 hit

ページ42






「_というわけで、二週間後の掲載に間に合わせたいんです…」



「…お、大きいですねぇ…」




あの後、打ち合わせのためにすぐにJワークスさんの事務所を訪れた。


打ち合わせはいつもウチでだったけど、さすがに急だし来てもらうのは悪いと思って。


コーヒーを出してくれた事務職らしき女性は、俺の顔を見て何故かニヤニヤしていた…




「社長が、急に大型の紙面を出すって言い出したみたいで…」


「ということは、校正は社長さんもチェックなさるんですよね?」




いつも飄々とした梁さんの顔も、流石に強張っている。


ウチの社長の「できるだけ早く」とは、言葉の通りの「遅滞なく行え」という意味ではない。


梁さんも、それは今までの経験で痛いほどよくわかっているみたいだ。




どないしよ、急に弱気になってきた。


「や、やっぱ、二週間後なんて今からやと無理ですよね!?」




「でも…やるって言われたら、粛々とやんなきゃしょうがないですよね」


うちら、サラリーマンなんだし。なんて言って、笑ってる、梁さん。




「じゃあサムネ書いてラフに起こして…いやそんな時間ないな…」



淡いピンクのスケジュール帳を眺めながら

顎に手を当ててぶつぶつと呟くその顔はとても真剣で。



諦めモードだったのは、俺たちの方だったのかも。





「時間もないんで、初校レベルのカンプ上げます。

タイプのちがうのいくつか出してみるので、

ハマるのがあればそれで一気に畳み掛けましょう。

小瀧さんは、素材集めてもらっていいですか?」



「はい!梁さん…ありがとうございます。」



「とんでもないです!



一緒に切り抜けましょう。小瀧さん。」



でもマーケさんってほんと、大変ですねえ、なんて言って、口元に笑みをうかべてる。




どこまでも健気で、プロで、強靭なあなたと、


いつか自信を持って、肩を並べたいな。そう思った。











「じゃあ、ありがとうございました、失礼します」


「はい、ありがとうございました」



そう言って応接室を出る。


制作室の前を通りかかると、梁さんの仕事場が目に入った。




デスクには、同じくデザイナーだろう3人の男性。


中には俺と同じくらいか、年下らしき人もいる。


この人たちで沢山の制作物を手がけているんだ。


誰も彼も、慌ただしく電話をとったり真剣にモニターに向かったり作業に没頭していた。



かっこいいな。





第13話→←★



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
122人がお気に入り
設定タグ:ジャニーズWEST , 小瀧望 , 藤井流星   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Lucio | 作成日時:2019年6月9日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。